Chincapを含む矯正治療中の反対咬合者の顎口腔機能状態の推移について

概要

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我々はchincapを含む種々の矯正装置を用いて反対咬合の治療を行った低年齢児反対咬合者の顎機能状態の推移を把握する目的で調査を行った。調査対象は, 初診時年齢5〜11歳の前歯部反対咬合者90人(男子49人, 女子41人)で, 調査は, 矯正治療開始時, 治療開始約10ヵ月後, 治療開始後2〜4年の合計3回にわたって行った。調査項目は関節雑音, 開閉運動時の下顎の偏位, 顎関節部の圧痛, 開口障害の有無の4項目とした。その結果, 以下の結果を得た。1.いずれか1つの項目について顎機能異常の認められた者は, 1回目調査時で35.6%, 2回目調査時で42.2%, 3回目調査時で64.4%であった。2.chincapを含む矯正治療の進行と共に, 複数の症状を併発する者が増加した。3.chincapを含む矯正治療中に顎機能異常が発現した者についてその経過を追うと, 顎機能異常の改善した者は少なく, 異常状態が継続する傾向が認められた。4.chincapの使用期間との関連をみると, 関節雑音においてはchincapを長期に使用した者で増加する傾向があり, 逆にその改善が見られた者は短期使用者で多かった。以上の結果から, 顎整形力を適用して矯正治療を行う場合では, 顎機能状態に留意し, 特に長期にわたって顎整形力を用いる場合は顎機能に対する慎重な管理のもとに矯正治療を進める必要性のあることが示された。
東北大学の論文
1992-12-29

Chincapを含む矯正治療中の反対咬合者の顎口腔機能状態の推移について

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