乳歯反対咬合の自然治癒をみた4例について
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概要
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乳歯の削合, 抜歯あるいは交換により自然に治癒した女子乳歯反対咬合4例につき, 側面頭部X線規格写真を用い治癒機転を検討した。4例中3例において, 下顎骨の後下方変位, 上顎骨の良好な前方成長がみられた。下顎骨の後下方変位は, 早期接触を排除したことによって生じたと考えられ, 自然治癒に大きく貢献したと推察された。下顎骨のrepositioningの解消は乳犬歯の削合や抜歯を契機として生じているところがら, 同部の早期接触は咬合の様式を決定するうえで重要な役割を担っているものと考えられた。このことは乳歯反対咬合の治癒には, 早期接触が反対咬合の成立要因の1つであると考えられ, 機能的障害は早期に排除すべきものであると理解された。4例中1例は下顎骨のrepositioningを伴わなかったが, 自然治癒機転には上顎骨の良好な前方成長が関与していた。以上のことから, 乳歯反対咬合の自然治癒には早期接触による下顎骨のrepositioningの解消や, 低年齢期における上顎骨の良好な前方成長が重要な役割を果しているものと考えられた。
- 1985-12-31
著者
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