砕土兼用犂の所要動力に関する研究

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砕土兼用犂の所要動力を測定するために, 耕起反転, 耕耘砕土およびトラクタ走行に必要な動力およびそれらに影響をおよぼす因子について検討を加え, 砕土兼用犂の特性を明確にし, さらにこの作業機を装着使用するのに適するトラクタ選定の一考察をおこなった。その結果は次のとおりである。(1) 砕土兼用犂での耕耘砕土に必要な所要トルクは, 走行速度にはさして影響をうけないが, 耕深に比例して直線的に増加する傾向にある。しかしその勾配は, その作業機のロータ部の機構や, 土壌の性質, 水分, 粘着性等によって異なる。(2) 従来の動力耕耘(ロータリ型)では, 耕耘トルクが耕耘ヒッチや砕土刃周速度にかなり影響をうけているが, 砕土兼用犂の耕耘部の所要トルクは, それらにあまり左右されない。ただし, ロータリ型と違う機構を有する時, ヒッチや周速度によって耕耘トルクが変化する場合もある。(3) 犂の土壌比抵抗は, ある耕深にて最低値をとる場合が多いが, その値は犂の種類によって異なり, N型は0.47 (8∿9cm) H型は0.37 (10∿11cm)を示している。(4) 現在市販されているN型とH型の三連砕土兼用犂では, PTO馬力が36PS以上であれば第II速で作業ができ, 能率も向上するが, それ以下のトラクタでは第1速のみしか使用できない。また第III速で作業するには, PTO, 41PS以上のトラクタが必要である。(5) 砕土兼用犂を使用した場合, その動力配分は, トラクタの走行に必要な動力を1とした時, 耕起反転に要する動力2,耕耘砕土に要する動力3∿3.5となる時が最適である。
神戸大学の論文

砕土兼用犂の所要動力に関する研究

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