樹木の固有振動数に関する実験的解析(農業生産工学)
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概要
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果実の振動収穫機の開発に関連し, 樹木の主幹あるいは主枝の固有振動数を予測するための数値解法について実験的考察をおこなった。[table] 1. 園地における生木果樹の共振試験をおこなった結果, 主幹の振動は片持ばりの曲げ振動の理論に近似できた。したがって, その基本固有振動数が測定できれば, 高次の固有振動数も近似的に推定することができる。2. 側枝を有する主枝の固有曲げ振動数は, その主枝を多数の集中荷重を有する片持ばりと仮定することによって計算可能である。即ち, 側枝の重量とその重心位置を予め調査しておき, 側枝の付け根を中心とした円弧によって, 重心位置を主枝上に移行する。次に, 側枝の重量と等価の集中荷重が, 主枝上のその点に作用すると仮定し, 主枝全体の固有振動数を近似的に予知することができる。3. 側枝を除去した, 不規則な可変断面状の主枝の固有振動数をRITZおよびBURGESSの方法により計算した。その結果, 比較的直線に近く, 極度の断面変化をおこさない主枝については, 可成りの精度でその固有振動数を計算することができ, 特に後者の方法による誤差は少なかった。4. 個々の樹木の弾性係数, 比重等の物理定数が予知できるならば, 上記2,3項の方法に例えばDUNKERLEYの式を併用することにより, 実際の樹木の主幹あるいは主枝の固有振動数を, その形状調査のみによって近似的に推定することが出来るものと考える。
- 神戸大学の論文
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