看護学生のインフォームド・コンセントの認識と看護者の役割に関する研究 -臨地実習における意識の変化-
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概要
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医療を受ける人のQOLの向上のためには,インフォームド・コンセント(IC)の啓蒙と普及が必要である.そのために先ず医療従事者のICに関する正しい認識が出発点であると考え,看護学3年次生を対象に実習前後におけるICの認識と看護者の役割に関する意識の変化を明らかにすることを目的にアンケート調査を実施した.調査結果から次のように要約することができた. 1.ICの概念は90%以上の学生に正しく認識されていた.一方,学生はICとムンテラを混同して使っていることが臨地実習を通して知ることができた. 2.ICにおける看護者の役割の必要性の平均得点が全項目で実習後に有意に高くなっていた. 3.実習後「ICにおける看護者の役割の優先順位」の第1位で最も多かったのは,「患者への精神的ケア」,第2位は「患者の理解度の確認」,第3位は「患者に医師の補足説明」であった. 4.実習後の「IC後の関わりについての考え(自由記載)」の内容から,学生は受け持ち患者や家族の思いを汲み取って傾聴・共感的態度で接し,実習指導者の指導に基づいてIC後のフォローに努め意識した関わりをしていたことがわかった.A questionnaire survey was carried out on 3rd year nursing students to clarify any changes in the recognition of informed consent (IC) and or the awareness of the nurse's role in informed consent (IC) after undergoing clinical nursing training. The main results are as follows; 1. The concept of IC appeared to be correctly understood by more than 90% of the students. It was clarified, however, through clinical nursing training that some students confused IC with traditional paternalistic explanation in Japanese medical culture (mundtherapie). 2. The awareness of nurse's role in IC increased after undergoing clinical nursing training. 3. The students listed as nurse's role in IC i) mental care for patients, ii) confirmation of patient's understanding, and iii) explanations to the patient supplementary to the physician's explanation. 4. Students' attitude towards patient and their families also changed after undergoing clinical nursing training.
- 長崎大学の論文
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