作物の形質発現の変動性よりみた収量安定性に関する研究 VI : 水稲の個体内における分げつ発生順位と諸形質の発現力との関連性について(農学部門)

概要

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水稲3品種をポットで栽培し, 生育過程中の分げつの長さと成熟後の諸形質の発現力との個体内関連性および分げつの発生順位と諸形質の発現力との個体内関連性などについて検討した。生育過程中の分げつの長さと成熟後におけるその分げつに関する諸形質の発現力との個体内関連性は, 生育が進むに従って強くなる傾向を示した。また, 生育中の分げつの長さの個体内変異と成熟後の諸形質の個体内変異との関連性は出穂期以後になって強く現われる傾向を示した。一般に, 個体内において早く発生する分げつほど早く出穂し, また, 出穂の早い分げつほど成熟後の諸形質の発現力も大きくなったが, その関連性には品種および個体による差異がかなり大きいことが認められた。分げつの発生順位と成熟後の諸形質の発現力との個体内関連性はいずれの品種, 個体においても負相関を示し, 早く発生する分げつほど諸形質の発現力が大きくなる傾向を示したが, この関連性にもかなり大きい品種間あるいは個体間差異があるものと推察された。
京都府立大学の論文
1983-11-15