Coix 属の改良に関する育種学的研究 XIV : 育成系統の直播栽培における生産性について(農学部門)

概要

論文の詳細を見る
Coix属の育成系統に対する直播適応性を検討した。1)直播区の種子発芽は, 室内播種に比べて発芽開始が約10日遅れるが, 90%以上の高い発芽率を示した。2)草丈の伸長速度は, 直播の時期にかかわらず密植区は生育初期に, 疎植区は生育中期以降に大である。移植区もほぼ同様の傾向を示すが, 移植時の生育障害により成熟期にはかなり直播より劣る。3)分けつ数の増加に対しては, 直播の疎植は密植に比べて分けつ期間が長く, 初期の分けつ増加量も大きい。移植区も疎植により分けつは増大するが, 移植時の分けつ停止の影響が大きい。4)乳熟期における草丈, 分けつ数, 生体重, 乾物重などは, 直播は移植に比し, 疎植は密植に比し大である。形質の変動量は概して直播が小さく, 移植ではとくに密植により変異が増大する。点播粒数については分けつ数, 生体重でやや多粒播種がすぐれる傾向を示す。5)草丈および分けつ数と個体生体重との間には, とくに密植区にそれぞれ正の有意相関が認められる。6)個体当たりの生体重は, 一般に直播, 疎植かつ多粒点播区がすぐれるが, 単位面積当たりの生草収量は, 直播の密植区が著しく大である。7)以上の結果Coix属育成系統の直播適応性はきわめて高く, とくに生育初期∿中期の青刈利用では, 密播かつ多粒点播が望ましいと考えられる。
京都府立大学の論文
1971-10-15

Coix 属の改良に関する育種学的研究 XIV : 育成系統の直播栽培における生産性について(農学部門)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク