Coix 属の改良に関する育種学的研究 VIII : ハトムギ, ジュズダマおよび育成系統の刈取回数と青刈収量との関係(農学部門)
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概要
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Coix属植物中の2種, ハトムギ(C.M.), ジュズダマ(C.L.)と, その雑種後代に育成した高桿系統F_4および倍数体の4xF_1の4種類の植物に対し刈取試験を行ない, 植物形態と生産力との関係について考察した。刈取は生育期間中に1∿4回実施したが, 各刈取区の最終刈はいずれも草丈の伸長停止期に行なつた。刈取後の再生枝の伸長速度には植物種類間にかなり明らかな差が認められ, 刈取頻度のいかんをとわずF_4は最も早く, かつ刈取を増すとともにF_4と他種の伸長差は大となる。4xF_1の草丈は, 初期の刈取ではC.L.より劣るが, 刈取頻度の増加とともに回復してC.L.をしのぐようになる。分蘗数はF_4が最も多く, 4xF_1は最も少ないが刈取頻度の増加にともない各作物とも急速に再生枝を分蘗し, 常に刈取前の分蘗をしのぐが, その状況はF_4とC.M.が特にすぐれ, C.M.および4xF_1との間に明らかな差異を示している。刈取直後の生体重は, 一般に各刈取区を通じてF_4が最も大である。4xF_1は1∿3回刈取区ではC.L.よりかなりすぐれるが, 後期の刈取区でやや劣つた。植物種類間および刈取頻度間には高い有意性を示した。以上の実験結果より, 供試植物中F_4は最も高い生産性を示し, 4xF_1,C.L.がこれにつぎはC.M.は最も劣ることが判明した。特にF_4は両親植物に比し, 各刈取区を通じて2倍以上の多収性を示した。一般に各植物とも年2回刈が最も多収であつた。他の刈取区では概して3回刈が良いが, 植物の種類により多少変異している。育成F_4系統に関しては2回刈が最も適当であり, 1回および3回刈もかなりすぐれている。4xF_1およびC.L.については2∿3回刈が適当であると思われる。
- 京都府立大学の論文
- 1963-09-01
著者
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