トウガラシ属栽培種の種間交雑に関する研究 I : 種間の交雑可能度について(農学部門)
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概要
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我国の乾果トウガラシの育種に資する目的でトウガラシ属の栽培種Capsicum annuum, C. frutescens, C. pendulum, C. pubescensおよびC. sinenseの相互間に種間交雑を行い交雑可能度を明らかにした。C. pubescensと他の4種との間の交雑では着果がみられず種子も得られなかつたが, 他の4種間の交雑ではいずれの組合せにおいても結実し稔実種子が得られた。しかし交雑種子は一般に充実不良であつた。交雑種子の発芽は一般に不良でC. annuumを親とする組合せでは全く発芽しないものもあつた。またC. annuumを親とする組合せのうちには種子が発芽しても幼植物の間に枯死するものがみられた。我国のトウガラシの経済品種のすべてを含むC. annuumはC. frutescensおよびC. pendulumの2種とのみ交雑可能である。交雑可能度から種間の近縁関係を推察すると, C. frutescens, C. pendulumおよびC. sinenseの3種は相互に交雑容易でもつとも近縁とみられ, C. annuumはこれらの3種と交雑困難または不能で或程度離れたものとみなすことができ, C. pubescensは他のいずれの種とも交雑せずもつとも遠いものと考えられる。
- 京都府立大学の論文
- 1960-09-01
著者
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