生長調整剤撒布による南瓜の生育に関する研究(農学部門)
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概要
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瓜類の花の着生配置は遺伝的に支配され, 同時に光, 温度等の環境因子の支配をも受け, 雌花及び雄花に分化される。本実験は合成生長調整剤を植物体に添加することにより, 植物体内に保持されている生長物質の量を異ならしめ, その変化に対応して発現される植物体の生育状態と性の発現状態を調査するを目的とした。材料C. moschata(小菊), C. maxima(打木赤栗), C. Pepo (Mammoth Table Queen)供試薬品名および濃度IAA 50,100,250,500ppm 2.4-D 1,2.5,5,10,25ppm TIBA 10,2.5,50,100ppm MH 25,50,100,200,300ppm GB 2.5,5,10,25,50,100,200ppm NAA 2.5,5,10,25,50,100ppm生長調整剤が生育に及ぼす影響は葉枚に於てはGB 50ppm区以外各処理区共減少した。草丈に於ては全処理区共増加しなかつた。第1♀花着生節位はIAAおよびNAA処理により低くするが, 2.4-DおよびGB処理は影響は認められず, MH処理はC. moschataおよびC. maximaに就ては高くする傾向があるがC. Pepoでは低くする。第1♀花日数は第1♀花着生節位の高低により増減する。雌花着生数はIAA, NAAおよびMH処理は増加し, GB処理区は減少する。処理果実はC. moschataおよびC. Pepoに於ては小形になる傾向はあるが, 変形しない。C. maximaに於ては変形する傾向がある。生長調整剤処理個体の花粉・不正形率はC. moschataは標準区と相違がないが, C. maximaに於ては, 処理全区共花粉の不稔, 不正形率が増加する。以上の結果より, 南瓜属に於ける生長調整剤撒布による影響は種間に於ても差異があるが, 実用的に使用するならば, NAA 100ppmを数回, 生育の初期に撒布することにより, 促成栽培の補助とすることができる。
- 1960-09-01
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