生長調整剤撒布によるキクの生育に関する研究

概要

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(1)キクの品種「新世紀」を用い, 生長調整剤撒布による生育および開花に及ぼす影響を研究した。(2)生長調整剤としてはNAA, IAA, MH, TIBAおよびGBの5種類を用い, NAAは25,50,100ppm, IAAは100,250,500ppm, MHは25,50ppm, TIBAは10,25,50ppm, GBは25,50,100ppmの水溶液を7月下旬から9月下旬まで3日置きに葉面撒布した。(3) IAA 500ppm区の開花抑制は明らかであつたが, IAAおよびNAAの他濃度処理は顕著な抑制効果は認められなかつた。(4) MHは低濃度処理ではキクには抑制効果が認められない。(5) TIBAの50ppm処理区は明らかに草丈の伸長は抑制されたが, 開花には抑制効果は見られなかつた。これは処理中止後の花芽分化が急速に発展することによるものである。(6) GBはキクについては明らかに促進効果が認められ, 草丈の伸長, 花芽分化および開花現象ともに促進されることが解つた。(7)以上のことからキク「新世紀」に於ては生長および開花の抑制効果はIAAの高濃度撒布により, 促進効果としてはGBの撒布により認められ, 今後撒布時期, 薬剤濃度を検討することにより実用化されるであろう。
1959-09-01