蔬菜・花卉の生長・生理に及ぼすジベレリンの影響(第 1 報)
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概要
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ジベレリンは作物の種類により, その濃度, 撒布時期, 撒布回数等の影響が非常に異るものであるから, 個々の作物の最適条件を見出して応用しなければならない。本実験は園芸作物を材料として, その結果を報告するものである。1. マリー・ゴールドの生育および開花現象に対しては1.25∿10.0ppm濃度で影響を及ぼす。特に2.5ppm水溶液1回の葉面撒布の場合, 生育が最もよく, 又開花も1週間早くなる傾向をしめした。2. 花椰菜の花蕾叢の出現に対しては, 1.25∿2.5ppm水溶液を定植後3∿4回撒布することにより効果を認められる。3. 九条葱の生育に対してはジベレリンの1.25∿10ppm水溶液3回撒布では効果は殆んど認められない。10ppm水溶液3回撒布により分蘖数はやゝ増加し, 開花を遅らせる傾向を認めた。4. セルリーの生育に及ボすジベレリンの効果は, 10ppm水溶液3回撒布により, 葉長に於ては10糎以上増加し, 葉数に於ては影響はみられなかつた。重量に於ては170瓦の増加をみた。5. チユーリツプの生育及び開花現象に対しては, 100ppm水溶液8回撒布により草丈に於て6糎, 花梗長に於て8糎の増加を示し, 開花も10日早くなる傾向を示した。6. チユーリツプ球根を0.625∿20ppm濃度に24時間浸漬した場合, 発芽, 草丈および花梗長には影響が認められなかつた。開花状態は葉面撒布処理した場合と逆に低濃度で処理した程, 開花始めは早い傾向をしめした。7. ジベレリン水溶液にチユーリツプ球根を24時間浸漬することにより, dropperの発現率をたかめ, 待に1.25∿5.0ppm水溶液浸漬に於て顯著である。
- 1958-08-01
著者
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高嶋 四郎
京都府立大学農学部蔬菜園芸学研究室
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高嶋 四郎
西京大学農学部蔬菜園芸学研究室
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津田 秀樹
西京大学農学部蔬菜園芸学研究室
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成田 道泰
西京大学農学部蔬菜園芸学研究室
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浜中 ゑみ子
西京大学農学部蔬菜園芸学研究室
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成田 道泰
京都府立大学農学部蔬菜園芸学研究室
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高嶋 四郎
西京大学農学部蔬菜園芸学教室
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