トウガラシの授粉に関する研究 III : 不稔花粉の発現(農学部門)
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概要
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トウガラシの授粉に関する研究の一部として不稔空虚な花粉粒の発現についての調査を行なつた。不稔花粉発現率は, 春秋の比較的低温の時期には5∿10%にすぎないが盛夏期には50%に達する。人為的にさらに高温下におくと不稔花粉は一層増加し, 高温の影響によつて発現することが明らかである。また開花15日前頃の気温と平行的関係にあることから, 不稔の機構は高温による花粉母細胞の分裂異常によるものと推察される。種間差異をみると, トウガラシの不稔花粉発現率はナス・トマトに比較してはるかに高く, 盛夏期での不結実および授粉能率低下の原因のひとつとなつているものと思われる。品種間では在来品種が洋系品種より発現が少なかつた。窒素施肥の多少は影響がみられないが, 相当生育してのちに供給が急減した場合には一時的にかなり高率の不稔がおこつた。樹令すなわち播種期による影響はほとんどみられなかつた。
- 京都府立大学の論文
- 1962-09-01
著者
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