体温測定に関する基礎的研究(第5報) : 条件・部位の変化における腋窩用体温計測定値の比較

概要

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腋窩用電子体温計・水銀体温計の2種類を用い,腋窩の汗に関する条件を変えて腋窩温の測定を行った。その結果,電子体温計予測値(以下 : 予測値)・水銀体温計10分値(以下 : 水銀値)共,腋窩の汗を拭いた側も拭かなかった側もほぼ同じ値を示し,むしろ,わずかではあるが,拭いた側が低い値となった。ただし,測定前腋窩を30秒開放した側の予測値は,開放せずに測定した側の予測値よりも0.25℃低く,有意差を認めた(P<0.001)。水銀値になると,どちら側もほぼ同じ値を示した。又,乳房に熱感がある褥婦など,腋窩での測定が行えない状況や新生児に臨床的に行われている頸部・背部での体温測定に関連させ,腋窩・肘窩・頸部・背部で同時に体温測定を行い,それらの予測値・水銀値について比較検討した。その結果,室温24-27℃の適温下では肘窩・頸部は予測値・水銀値ともに腋窩水銀値とほぼ等しい値が得られ,背部は予測値で0.66℃,水銀値で0.75℃低く,共に腋窩水銀値との有意差を示した(P<0.001)。また,室温16〜20℃では肘窩・頸部・背部共,腋窩水銀値よりも有意に低い値を示した(P<0.001)。
神戸市看護大学短期大学部の論文
2002-03-06