妊娠初期の精神状態と産後5日目の精神状態の関連性

概要

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妊産婦の精神面支援のための基礎的資料を得ることを目的に,兵庫県および大阪府下の病院において妊産婦を対象に,妊娠初期(妊娠15週未満)と産後5日目の精神状態(抑うつ,Maternity blues,不安内容)を縦断的に調査し,妊娠初期の精神状態が分娩後に及ぼす影響およびその要因について検討した結果以下のことが明らかになった。(1)自己評価式抑うつ性尺度(SDS)の平均得点は妊娠初期の方が産後5日目より有意に高得点となっており(p<0.001),抑うつ状態の発現頻度も,妊娠初期が産後5日目より有意に高率となっていた(p<0.001)。(2)抑うつ状態は両時期ともに初産婦に高率であった。(3)Maternity bluesは初産婦に有意に高率であった(p<0.05)。(4)妊娠初期の抑うつ状態は,産後5日目の抑うつ状態およびMaterniy bluesに影響を及ぼしていた。(5)妊娠初期に抑うつ状態にあった者は,妊娠経過に関する不安を強く持っていた(p<0.05)。(6)産後5日目に抑うつ状態にあった者は,育児能力についての不安が高くなっていた(p<0.05)。
神戸市看護大学短期大学部の論文
2000-03-03