体温測定に関する基礎的研究(第1報) : 原理の異なる3種類の体温計を使用した測定値の比較

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水銀体温計,電子体温計(腋窩用・口腔用),耳式体温計という3種類の原理の異なる体温計用いて,腋窩温・口腔温・耳内温を同時に測定し,測定値を比較検討した。その結果,腋窩電子体温計の予測値は実測値よりも有意に高く,口腔電子体温計の予測値と実測値に有意差は認められなかった。また,腋窩電子体温計の予測値と実測値の差は口腔電子体温計のそれに比較して大きく,腋窩温は外界の環境に影響されやすいということが明らかとなった。さらに水銀値と腋窩電子体温計実測値とは一致性が高く,腋窩電子体温計予測値は水銀値に比較して有意に高かった。これらのことより,腋窩温の正確な値を知るためには,水銀体温計もしくは腋窩用電子体温計実測値を測定する必要があるということがわかった。また,耳式体温計の測定値は水銀値や腋窩電子体温計実測値よりも有意に高く,腋窩電子体温計予測値と一致性が高かった。生理学的な身体の温度からみると,耳式体温計の測定値は腋窩温より高値であることが当然であり,水銀値や腋窩実測値より高い値の出る腋窩電子体温計予測値と耳式体温計測定値の一致は正確な一致ではないことを考慮し,測定の原理や測定部位の特徴を理解して値の解釈をする必要があることを再認識した。
神戸市看護大学短期大学部の論文
2001-03-27

体温測定に関する基礎的研究(第1報) : 原理の異なる3種類の体温計を使用した測定値の比較

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