不妊治療後妊産婦の抑うつ状態と不安の時期的変化
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概要
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不妊治療後妊産婦の妊娠初期・中期・後期および産褥5日目の抑うつ状態と不安について縦断的に調査し精神状態の時期的変化を自然妊娠妊産婦との比較から検討した結果以下のことが明らかになった。(1)抑うつ状態の発現頻度は,妊娠期間中は治療群の方が低い傾向を示し産後5日目は治療群が高い傾向を示していた。(2)治療群の抑うつ状態は妊娠初期が中期・後期・産後5日目に比し高い傾向を示した。(3)産後5日目のMaternity blues の平均得点は治療群が有意に高得点を示した。(4)不安は全ての時期において治療群の方が高い傾向にあったが,不安内容は両部に差は認められなかった。これらより調査対象の不妊治療後妊産婦は,妊娠期間中は自然妊婦より抑うつが低い状態で過ごしており,不安の内容に関しても自然妊婦との間に差は認められなかったが,分娩後は不妊治療後の方が抑うつ状態が高くなるという傾向が明らかとなった。これらの精神面の特徴を理解した上で不妊治療後妊産婦の心のケアを行っていくことが重要であると考える。
- 神戸市看護大学短期大学部の論文
- 2003-02-28
著者
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大村 紀子
神戸市看護大学短期大学部母性看護学
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岩谷 澄香
神戸市看護大学短期大学部母性看護学
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中野 裕子
神戸市立中央市民病院
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山口 陽惠
神戸市看護大学短期大学部母性看護学
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佐藤 秀子
神戸市立中央市民病院
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橋村 富子
神戸市立中央市民病院
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熊谷 恵
神戸市立中央市民病院
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岩谷 澄香
滋賀県立大学人間看護学部
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岩谷 澄香
神戸市看護大学
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大村 紀子
神戸市看護大学短期大学部:母性看護学
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山口 陽惠
神戸市看護大学短期大学部:母性看護学
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