帝王切開後の子宮復古および悪露の変化に関する調査

概要

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少子化の進む中,母体と胎児の安全性を確保する目的から帝王切開率は年々上昇している。帝王切開後の子宮復古に関しては,一般に経膣分娩より遅いといわれるが,明らかなデータとして発表されているものは見当たらない。本研究では,帝王切開後の子宮底高の変化を明らかにすることを目的に調査研究を実施した。その結果以下のことが明らかになった。(1)帝王切開後の子宮底高は,経日的に徐々に低下しているものの,経膣分娩後の子宮底高に比し大きく遅れていた。(2)胎児数別の比較では双胎に比し単胎の方がやや早く低下していたが,有意な差は認められなかった。(3)分娩時期別の比較では早産と正期産の間に有意な差は認められなかった。(4)分娩経験別の比較では経産婦の方が有意に早く低下していた(p<0.05)。(5)単胎および双胎における分娩時期別比較では早産と正期産の間に有意な差は認められなかった。(6)単胎および双胎における分娩経験別比較では,どちらも経産婦が有意に早く経過したが(p<0.05),双胎の初産婦と経産婦の間での差が最も大きかった。(7)悪露の変化に関しては,経膣分娩に比して遅れて経過していた。
神戸市看護大学短期大学部の論文
2000-03-03