わが国の病院におけるCare in normal birth:a practical guide(WHO)の変化 : 2002年と2007年のカテゴリーA,B実践状況の比較

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概要

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筆者らは,2002年にわが国の病院における出産ケアの実態について,WHOの"Care in normal birth:a practical guide"に基づき調査を行った。本研究は,第1回目の調査より5年が経過した時点(2007年)で,出産ケアの変化を把握することを目的とした。産科を有する病院1,057施設を対象に調査を行い,638施設より有効回答を得た。5年前と比較して,"明らかに有効で役に立つ推奨されるべきこと(カテゴリーA)"の22項目中16項目の実施率が増加しており,そのうち「妊婦とともにバースプランを作成し家族にも知らせること(p<0.01)」「出産のはじめから終わりまで産婦の姿勢と動きを自由にすること(p<0.01)」など7項目に有意な違いを認めた。"明らかに害があり効果がないのでやめるべきこと(カテゴリーB)"は15項目すべてにおいて実施率が減少しており,そのうち「出産中,慣例的に砕石位をとること(p<0.01)」「分娩第2期に産婦に指示をしてバルサルバ法をさせる(p<0.01)」など5項目に有意な差を認めた。わが国の出産ケアは,5年前と比較すると医療介入は減少し,妊産婦の自己決定や安楽性を尊重したケアの増加が認められ,WHOの提唱する望ましい方向に変化していることが明らかとなった。

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