看護基礎教育における臨地実習の教育学的検討 : 成人・老年看護実習を中心にして

概要

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看護基礎教育のカリキュラムにおいて臨地実習の占める割合は総時間数の36%である。このことは,様々な健康問題を持つ看護の対象にケアを展開するという学習方法に多くの時間を用いていることになる。今回のカリキュラム改正に示された基本的考え方の中に,(1)人々の健康上の問題を解決するために,科学的根拠に基づいた看護を実践できる基礎的能力を養う,(2)健康の保持増進,疾病予防と治療,リハビリテーション,ターミナルケア等,健康の状態に応じた看護を実践するための基礎的能力を養う,という内容がある。筆者らの研究の課題は,この基本的考え方にある「実践できる,あるいは実践するための基礎的能力」とは何かという問いである。そこで,臨地実習の意義と目的を明らかにしつつ,P.Bennerの看護論「看護実践の領域と能力」を用いて,臨地実習(主に成人・老年看護実習)における教育目標の中心的内容を抽出することはできないかと検討した。その結果,P.Bennerによって見いだされた7つの看護実践の領域それぞれに対して,教育目標の中心的内容を導きだすことができた。
神戸市看護大学短期大学部の論文
1998-03-05