生活の場所に関する高齢者の意思決定(第2報) : 生活場所を決定するまでのプロセス
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概要
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前回我々は,高齢者のより充実した生活のため,生活場所決定においての高齢者自身の意思が尊重される援助に向けて,「高齢者の生活場所の意思決定」に関する文献検討を行った。しかしわが国での研究はまだ少ない状況にあり検討の意義が認められたため,今回引き続き,高齢者が生活場所を決定するまでの意思決定プロセスを明らかにすることにより,看護の方向性を検討する目的で,介護老人保健施設に入所中の高齢者に対し半構成的面接を行い,得たデータを元に記述式意思決定論を用いて意思決定プロセスを分析し援助の方向性を検討した。その結果,高齢者が生活場所を決定するにあたっては,他との関係性の中でなされることが多く,高齢者が家族と充分に相談できるよう援助することの必要性が示唆された。さらに,今後施設で生活することを主体的に意思決定していてもその後の生活の満足感につながるとは限らず,逆に,主体的な意思決定がなされていなくても,現在の生活に満足感を持っている状況も観察され,身近なありふれた日常生活上の意思決定に着目することから生活の質を向上できるという援助の方向性が示唆された。
- 神戸市看護大学短期大学部の論文
- 2003-02-28
著者
-
能川 ケイ
神戸市看護大学短期大学部
-
大野 かおり
神戸市看護大学短期大学部
-
松浦 由紀子
神戸市看護大学短期大学部(老年看護学)
-
大野 かおり
園田学園女子大学:神戸市看護大学
-
大野 かおり
神戸市看護大学看護学部看護学科
-
大野 かおり
兵庫県立尼崎病院
-
西浦 郁絵
神戸市看護大学短期大学部(在宅看護論)
-
西浦 郁絵
神戸市看護大学短期大学部:在宅看護論
-
能川 ケイ
神戸市看護大学短期大学部:在宅看護論
-
藤原 智恵子
神戸市看護大学短期大学部
-
森田 愛子
神戸市看護大学短期大学部
-
藤原 智恵子
神戸市看護大学短期大学部:老年看護学
-
森田 愛子
神戸市看護大学短期大学部:老年看護学
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