脳卒中による寝たきり高齢者の側臥位への体位変換が深部組織血流量におよぼす影響

概要

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本研究の目的は、脳卒中による寝たきり状態の高齢者の仰臥位から側臥位への体位変換が、深部組織血流量におよぼす影響を明らかにすることである。研究協力に承諾の得られた65〜74歳の女性で、老人病院に入院中の脳卒中による寝たきりの高齢者(寝たきり群)と健康に日常生活を営んでいる高齢者(健康群)を対象とし、仰臥位から左右に続けて側臥位をとる体位変換時の深部組織の血流量(血流量指標は総Hb量とStO_2)を測定した。側臥位の角度は、寝たきり群は全身の拘縮が強く約30度であり、健康群は90度の完全側臥位をとった。寝たきり群の総Hb量は左右側臥位保持の間は健康群よりも有意(p<0.05)に低下を示し、仰臥位に戻り回復を示した。寝たきり群のStO_2は左右側臥位保持の間は減少を続け、仰臥位に戻り回復を示した。健康群では殆ど変化せずに経過した。以上の結果から健康高齢者は90度の左右側臥位をとることで一過性に深部組織血流量は減少するがすぐに回復した。一方、脳卒中による寝たきりの高齢者は、約30度の左右側臥位保持の間は深部組織血流量は減少することが示された。
2005-03-01