ストレス応答MAPキナーゼのHL60細胞におけるニバレノール誘導性の細胞毒性とインターロイキン-8分泌への寄与
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ニバレノール(NIV)の毒性発現機構を解明するために,JNK とp38 の2 種のストレス応答MAP キナーゼ(SAPK)のHL60 細胞におけるNIV 誘導性の細胞毒性とインターロイキン(IL)-8 分泌への関与を検討した.NIV24 時間処理でリン酸化(活性型)JNK は増加し,その量は1 μg/mL の時に最も多かった.この濃度で処理したタイムコース実験によりリン酸化JNK は12 時間でピークに達した.リン酸化p38 でも同様の結果だった.次にJNK 特異的阻害剤SP600125 とp38 特異的阻害剤SB203580 がNIV による細胞毒性とIL-8 分泌に与える影響について検討した.NIV とSAPK 特異的阻害剤で同時処理するとNIV 単独処理と比べて細胞増殖阻害は減じたので,SAPK はNIV による細胞増殖阻害に関与すると考えられた.SP600125 がNIV 誘導性のIL-8 分泌を顕著に減じたことは,JNK がこの分泌に寄与していることを示している. SB203580 がNIV 誘導性のIL-8 分泌を減じた.この効果は穏やかであったが,SB203580 単独処理で顕著に IL-8 分泌が増加したことを考え合わせると,p38 のNIV 誘導性のIL-8 分泌への寄与は大きいと考えられた.
- 日本マイコトキシン学会の論文
- 2009-07-31
著者
-
長嶋 等
独立行政法人食品総合研究所
-
久城 真代
独立行政法人食品総合研究所
-
岩下 恵子
独立行政法人食品総合研究所
-
岩下 恵子
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
中川 博之
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
-
久城 真代
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
-
中川 博之
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
久城 真代
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構本部
-
長嶋 等
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
長嶋 等
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
関連論文
- LC/MS/MSによるアフラトキシンとベンゾ〔a〕ピレンの同時分析
- 乾燥した油ヤシ葉中のアフラトキシン分析法とアフラトキシン汚染
- 遺伝的背景や性, 週齢がマウスに対するルブラトキシンBの毒性に与える影響
- コメ中のフモニシンB1, B2, B3の液体クロマトグラフィーによる定量
- マウス3T3-L1細胞に対するキハダ抽出物のトリグリセリド蓄積抑制作用
- 生キクラゲ水抽出物のマウス脂肪細胞分化抑制作用
- ナス抽出物のB16メラノ-マ細胞におけるメラノジェネシス抑制効果
- ナス抽出物のマウスメラノーマ細胞におけるメラニン産生抑制効果 : 食品
- 培養細胞を用いた食品成分における機能性の研究(1)野菜抽出物のB-16 mouse melanoma 4A5細胞に及ぼす影響について
- ヒト肝癌細胞におけるルブラトキシンBの毒性に対するフラボノイドの保護作用
- ルブラトキシンB処理したHL60 細胞に対するアントシアニンの効果の検討
- ヒトの糞便から単離されたイソフラボン代謝性腸内細菌の in vitro におけるヒト糞便フローラのエコール生産性に及ぼす影響
- ヒト肝癌細胞におけるルブラトキシンBの毒性に対するフラボノイドの保護作用
- ルブラトキシンB処理したHL60細胞に対するアントシアニンの効果の検討
- ルブラトキシンBと血清アルブミンの相互作用
- MAPK p38経路を介する肝細胞のルブラトキシンB誘導アポトーシスを茶カテキン, エピガロカテキン-3-ガレート, が阻害する
- ルブラトキシンBはヒト肝癌細胞にアポトーシスを誘導する
- ラット血管平滑筋細胞A-10におけるエモジンとゲニステインの効果の相互作用の検討
- エモジン, 中国の薬草や Aspergillus 属および Penicillium 属のカビに由来するアントラキノンの抗動脈硬化的効果の検討
- 金時草(スイゼンジナ)色素抽出物のがん細胞アポトーシス誘導効果
- ニガウリのがん細胞アポトーシス誘導効果
- (70) コムギ赤かび病に関与するトリコテセン系マイコトキシン少量産生菌または非産生菌を利用したトリコテセン系マイコトキシン産生制御への試み(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ストレス応答MAPキナーゼのHL60細胞におけるニバレノール誘導性の細胞毒性とインターロイキン-8分泌への寄与
- ルブラトキシンBはマウス脂肪肝において脂肪の蓄積を誘導する
- HL60細胞に対するニバレノールの細胞毒性
- 遺伝的背景や性, 週齢がマウスに対するルブラトキシンBの毒性に与える影響
- リアノジン受容体の阻害剤ダントロレンはHL60細胞におけるニバレノール誘導性の細胞毒性を軽減する
- 種籾中フモニシン類の液体クロマトグラフィーによる検出
- ここ25年間におけるマイコトキシン分析の手法の変化と精度
- かび毒の多種同時検出技術 (特集 カビ毒のリスク評価と製造現場でのカビ対策)
- B-017(30) ゴマ油脂中のセサミン異性体の脂質代謝調節機能
- DON,NIVの誘導体--その生成機構とリスク (特集 カビ毒の規格と検査手法)
- 蛍光指紋による小麦粉中のデオキシニバレノールの非破壊計測
- 培養細胞に対するルブラトキシンBの細胞毒性
- 蛍光指紋による小麦粉中のデオキシニバレノールの非破壊計測
- 培養細胞におけるトリコテセン系マイコトキシンのニバレノールとデオキシニバレノールの細胞増殖阻害活性の比較
- 製麺および調理における国産軟質小麦品種中マイコトキシン・デオキシニバレノールの濃度変化
- 国内分離 Aspergillus niger 菌株の各種寒天培地でのフモニシン産生
- 製麺および調理における国産軟質小麦品種中マイコトキシン・デオキシニバレノールの濃度変化
- 医食住のマイコトキシン(9)マイコトキシンの分析法(1)食品分野(7-3)DON/NIV
- 製麺および調理における国産軟質小麦品種中マイコトキシン・デオキシニバレノールの濃度変化
- 培養細胞におけるトリコテセン系マイコトキシンのニバレノールとデオキシニバレノールの細胞増殖阻害活性の比較