ヒト肝癌細胞におけるルブラトキシンBの毒性に対するフラボノイドの保護作用
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概要
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フラボノイドの多くの有益な作用が知られているにも関わらず, 肝毒性物質に対する作用についてはあまり知られていない. そこでヒト肝癌細胞HuH-7におけるルブラトキシンBの毒性に対してケルセチンとアピゲニンが保護するかどうかを調べた. 両フラボノイドは, 単独では細胞増殖を用量依存的に阻害した. ケルセチンは, ルブラトキシンBの細胞増殖阻害作用を調べたどの濃度 (30〜100μM) でも減少させた. これに対しアピゲニンは, 低濃度 (9μM) でのみルブラトキシンBの細胞増殖阻害作用からの保護作用が観察された. ルブラトキシンBは腫瘍壊死因子-αとマクロファージコロニー刺激因子の分泌を誘導し, ケルセチンとアピゲニンは用量依存的にこれらのルブラトキシンB誘導性のサイトカイン分泌を阻害した. サイトカイン分泌の阻害に関しては, アピゲニンのほうがケルセチンより効果が高かった. これらの結果から, ケルセチンとアピゲニンにはルブラトキシンBによる細胞毒性から保護する作用があると考えられた.
著者
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