ルブラトキシンB処理したHL60 細胞に対するアントシアニンの効果の検討
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概要
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肝毒ルブラトキシンBで処理したHL60 細胞に対するアントシアニンの効果を検討した.アントシアニンは,抗酸化活性とそれに由来する肝障害保護作用を持つことで知られている.シアニジン-3- グルコシド(Cy3-glc)とペオニジン-3- グルコシド(Pn 3-glc)は,ルブラトキシンB処理による細胞増殖阻害を弱めたが,その効果は顕著ではなかった.これに対しマルビジン-3- グルコシド(Mv 3-glc)はルブラトキシンBの効果を劇的に強めた.Mv 3-glc と他のアントシアニンとの違いはB環の5’位の構造なので,この部位の構造の違いがルブラトキシンB処理したHL60 細胞の増殖に影響を与えると考えられる.サイトカイン分泌の結果は,細胞増殖の結果とは異なった.ルブラトキシンB誘導性のインターロイキン-8 と腫瘍壊死因子- αの分泌に対するアントシアニンの効果は大きくなかった.100 μM アントシアニンは単球走化性タンパク質(MCP)-1 分泌を顕著に上昇させたことから,3 種のアントシアニンに共通した構造がルブラトキシンB誘導性のMCP-1 分泌に影響を与えると考えられた.この研究でわれわれは,アントシアニンはB環の5’位の構造依存及び非依存的に活性を発揮することを見いだした.
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