培養細胞におけるトリコテセン系マイコトキシンのニバレノールとデオキシニバレノールの細胞増殖阻害活性の比較
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概要
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ニバレノール(NIV)とデオキシニバレノール(DON)の毒性発現機構を解明するために,培養細胞の増殖に対する両毒素の阻害効果を検討した。毒素処理24時間後に試験を行った。両毒素は試験に供した4つの培養細胞の増殖を遅らせた。ヒト前骨髄球白血病細胞HL60とヒトリンパ芽球白血病細胞MOLT-4,ラット大動脈筋芽細胞A-10においては,DONよりもNIVの方が効果が強かった。これに対し,ヒト肝芽腫細胞HepG2では両毒素ともほぼ同じ効果を示した。もし両毒素が同一の毒性発現機構で毒性を発揮しているのであれば,細胞の種類にかかわらずDONとNIVの50%阻害濃度(IC50)の比は一定になると考えられるが,各々の細胞のIC50の比は一様でないことから,両毒素の毒性発現機構には違いがあると考えられた。
- 2012-03-00
著者
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久城 真代
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構本部
-
長嶋 等
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
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長嶋 等
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
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