アカシボ物質の化学的側面 (雪氷の生態学 : 彩雪の生物群集)
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概要
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群馬県尾瀬ヶ原と尾瀬沼おいて, 1999年より2008年のアカシボ発生期間に, アカシボを含む積雪, 間隙水を採取し, アカシボを含む積雪, 間隙水中の金属元素を分析した. アカシボ物質は地質学的起源を含め様々な金属元素を含むが, 主たる構成金属は鉄であり, その割合は測定された金属元素の約95%を占めた. アカシボ物質の赤色が酸化鉄であることを示す. アカシボ物質は酸化的環境に存在するにもかかわらず, 常にFe2+が共存していた. 鉄全体に対するFe2+の割合は, アカシボ物質の状態により大きく変動した. 酸化環境でも安定に存在するFe2+の一部が有機錯体として存在することが示唆された. アカシボ物質が金属としてほとんど鉄のみより構成されることは, アカシボ物質の核の外周が親鉄有機物により覆われ, その有機物にFe2+が結合し, 酸化環境で鉄酸化物となり, アカシボ物質は赤色を呈するのであろう.The snow core and interstitial water including Akashibo material were taken at Ozegahara mire and Ozenuma Lake,Gunma prefecture,during Akashibo generating season from 1999 to 2008,and analyzed for some metal elements with ICP-AE and atomic absorption spectrophotometer. The core metal element which composed Akashibo material was iron and accounted for more than 95% among the metal elements, although a variety of metal elements from earth’s crust were measured in Akashibo material. The results indicated that the red color of Akashibo material was formed by oxidized iron. Ferrous iron coexisted always in Akashibo material despite Akashibo material being in the oxic condition. The ratio of ferrous iron to total iron largely varied due to the conditions setting up Akashibo material. A part of ferrous iron which stably existed even if in oxic condition was suggested for being existence as organic complex. The fact that the iron was almost only metal making up Akashibo material might indicate that core of the Akashibo material was covered by specific organic compounds being siderophile. Akashibo material might be red color as resulting oxidation of ferrous iron connecting to the siderophile organic compounds in oxic condition.
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