扁桃核キンドリングモデルにおける発作後抑制期の局所脳グルコース代謝率の変化について
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概要
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ラットの扁桃核キンドリング発作後抑制期における局所脳グルコース代謝率(LCGU)を[^<14>] deoxyglucose法を用いて定量的に測定した。LCGUの測定は部分発作終了30秒後および全般発作終了直後(FK-II群), 発作終了30秒後(FK-I群)に行った。全般性痙攣発作後の大脳皮質のLCGUは対照群に比して低下しており, その傾向はFK-II群で最も顕著であったが, 海馬のLCGUはFK-I群では著明に上昇し, 30秒後のFK-I群では逆に対照群より低い値を示した。この発作後抑制期の海馬における二相性のLCGUの変化は錐体細胞層の全領域(CA 1-4)および分子層でみられた。扁桃核キンドリングの発展に伴う代謝変化は海馬を含む大脳辺縁系より始まることが知られているが, 本実験により発作後抑制期の早期にも一過性の海馬代謝の亢進が見られることが明らかになり, 海馬がキンドリングによる全般性痙攣発作の発現, 維持のみならずその終息過程にも関わっている可能性が示唆された。
- 日本てんかん学会の論文
- 1991-04-30
著者
-
山浦 晶
千葉大学医学部脳神経外科
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久保田 基夫
千葉大学医学部脳神経外科
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佐藤 甫夫
千葉大学医学部附属病院精神神経科
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岩佐 博人
千葉大学医学部精神神経科
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難波 宏樹
千葉県がんセンター
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萩原 彌四郎
千葉大学医学部脳機能研究施設神経薬理研究部門
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難波 宏樹
千葉大学医学部脳神経外科学
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