内視鏡的食道静脈瘤硬化療法により静脈瘤内酸素分圧が上昇した1例
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概要
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症例は62歳女性.C型肝炎 (+) の肝硬変症.予防的硬化療法目的にて入院.硬化療法前の左胃動脈造影静脈相で胃上部の血流方向は遠肝性であった.初回硬化療法にて35cm, 12時よりの穿刺時, 静脈瘤から直接血液を採取.ガス分析において酸素分圧 (PO<SUB>2</SUB>) は41.3mmHg, 同時に測定した動脈血酸素分圧PaO<SUB>2</SUB>85.6mmHgとの比 (PO<SUB>2</SUB>, /PaO<SUB>2</SUB>) は0.482であった.同部に5%EOIを13.5ml注入し静脈瘤造影では左胃静脈まで造影された.2回目の硬化療法時における静脈瘤血の採取では, PO<SUB>2</SUB>, は74.5mmHgと上昇し, PO<SUB>2</SUB>/PaO<SUB>2</SUB>も0.948と著明に上昇していた.硬化療法はその後2回追加し, 静脈瘤は消失し, 左胃動脈造影でも血流方向の改善を認めた.静脈瘤酸素分圧の上昇の一因は, 硬化療法時の供血路遮断による静脈瘤への動脈血流入の相対的増加にあると考えられ, 血行動態の変化との密接な関連性が示唆され静脈瘤の病態を考える上で重要と思われ報告した.
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