北上川上流域における後期更新世の周氷河現象と火山灰層序
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
The fossil periglacial phenomena, involution, mass-movement, and gentle slope (cryopediment) formation, are often observed in the upper Kitakami River basin, northeastern Japan. The tephrochronological studies of late Pleistocene periglacial phenomena are carried out and the Quaternary history in this area is also discussed.At the foot of Mt. Iwate (alt. about 200-300m), involution is dominantly observed on FSc, ISc (about 33, 000y.B.P.), WSc-1, WSc-2, S1P, and S2P, which are the marker beds of the Shibutami and Nishine Volcanic Ash formations erupted from the Nishi-Iwate Volcano. KP (about 13, 500-16, 300y.B.P.) erupted from the Akita-Komagatake Volcano is also disturbed on a small scale. However, OD (about 34, 000y.B.P.) and KwP, which are respectively erupted from the Nishi-Iwate and Akita-Yakeyama Volcanoes, are scarcely disturbed. Involution observed in these marker beds is tephrochronologically estimated to have been formed about 16, 300 to 12, 400 years ago for KP, about 34, 000 to 16, 3000 years ago for FSc and ISc, on the first half of the Würm glacial age for WSc, and on the period of cold climate prior to that for S1P and S2P.At the foot of Mt. Himekami (alt. about 400-700m), the solifluction deposits consisting of granodiorite boulder and volcanic ash are put between VP (or FSc) and OD, and are also observed in the layer directly overlain by OD or in the Nishine Volcanic Ash formation. The mass-movement (the Block Stream) at Mt. Himekami probably took place about 34, 000 to 16, 300 years ago and in the first half of the Würm glacial age and/or on the period of cold climate prior to that.The gentle slope developed in the area of the Sotoyama Plateau (alt, about 700-900m) is covered with AK-h, AK-g, and Holocene tephras. Solifluction deposits rich in an angular gravel are extensively observed in the Shibutami Volcanic Ash formation on the Sotoyama and Hayasaka Plateaus, whichis underla in by the red weathering crust. On the basis of the stratigraphical relationships, they are probably formed about 34, 000 to 16, 300 years ago and may be related to the formation of gentle slope developed in the Kitakami Mountains.According to the pollen analysis, it seems to have been cool to cold in Upper Pleistocene. Therefore, the periglacial environment in Upper Pleistocene would have a great influence upon the landform development in this region.
- 日本第四紀学会の論文
著者
関連論文
- 雨水の風成塵起源フッ化物イオン濃度と非海塩性硫酸およびカルシウムイオン濃度の関係
- エアロゾル中のフッ素濃度に及ぼすアジア大陸起源広域風成塵の影響
- 洞爺火山灰以降の岩手火山テフラ層の植物珪酸体群集と古環境
- 東アジア中緯度域における雨水の水質に及ぼす広域風成塵の影響
- 旧松尾鉱山露天掘跡地における緑化工施工地の植生変遷
- 旧松尾鉱山露天掘跡地における緑化工施工地の土壌特性
- 北上川上流域における後期更新世の周氷河現象と火山灰層序
- 酸性灌漑水による水田土壌のクロライト化
- 北上山地の人為的土壌荒廃地域における植生変化
- 岩手県藤七温泉付近の硫気孔原の土壌pHと植生
- 26 八幡平藤七温泉硫気孔原の土壌pHと植生(東北支部講演会講演要旨)
- 酸性陸水中のアルミニウムイオンおよびコロイド状アルミノケイ酸塩の形態と挙動(第33回粘土科学討論会講演発表論文抄録)
- 41 酸性陸水中のアルミニウムイオンおよびコロイド状アルミノケイ酸塩の形態と挙動
- 酸性土壌の易交換性アルミニウムの意義とその測定
- 3-10 黒ボク土のAL(Fe)-腐植複合体中の活性Al(Fe)の形態(3.土壌鉱物および膠質複合体)
- 岩手県の湖沼の調査研究-3-補遺および集成
- 酸性雨の土壌による中和機構
- 17 酸性雨の土壌による中和機構の解析(東北支部講演会要旨)
- 3-7 中国吉林省の代表的耕地土壌の粘土鉱物組成(3.土壌鉱物および膠質複合体)
- 中国吉林省の代表的耕地土壌の粘土鉱物組成
- 3-10 スメクタイトによるヒドロキシアルミノケイ酸イオンの固定とそれに伴うカチオン吸着性の変化(3.土壌鉱物および膠質複合体)
- 岩手県西和賀地区の水田土壌--その物理的,化学的および粘土鉱物学的性質と問題点
- 3-20 南西諸島における赤黄色土中の風成堆積物について(3. 土壌鉱物および膠質複合体)
- 7.水田土壌の塩基状態と転換畑の諸問題(東北支部講演会講演要旨)
- 17 陸前高田市「古川沼」の水質汚濁問題(東北支部講演会講演要旨)
- 土壌のリン酸保持容量測定法の諸問題
- 11 十和田シラスによる奥入瀬川水系の水質汚濁(東北支部講演会講演要旨)
- 8 土壌調査のためのステレオ写真の作製と利用(東北支部講演会講演要旨)
- 中国東北部長白山と五大連池における火山灰土壌の粘土腐植複合体の特徴
- 北上山地における人為的土壌荒廃
- 東北日本の雨水中の硫酸イオンとカルシウムイオン濃度の季節変動, 起源および広域風成塵降下量との関係
- 山野井論文「黒土の成因に関する地質学的検討」の問題点
- ドイツ粘土研究会とエクスカーションに参加して
- 土壌および大気水圏環境に及ぼすアジア大陸起源広域風成塵の影響
- 土壌肥料と宮沢賢治1 : ペドロジスト, エダフォロジストとしての賢治
- 1 土壌および大気水圏環境に及ぼすアジア大陸起源広域風成塵の影響(日本土壌肥料学会賞)
- 地学団体研究会編 新版地学教育講座9地表環境の地学-地形と土壌, 小池一之・坂上寛一・佐瀬隆・高野武男・細野衛著, A5判, 198pp., 2,575円, 東海大学出版会(東京), 1994年
- 東北地方に分布する黒ボク土の類型区分(第1報) : 北東北に分布する黒ボク土
- 3-2 ゼオライトのカチオン吸着特性およびCEC測定上の問題点(3 土壌鉱物および膠質複合体)
- 岩手県松尾「五色沼」における全細菌数,鉄酸化活性および湖色の季節的変化
- 2-3 水田土壌中の置換性鉄,置換性水素,および置換性アルミニウムの消長(2 土壌有機および無機成分)
- 水田土壌の置換性カチオン組成と酸化に伴う土壌の酸性化
- 八幡平校舎周辺の植生遷移と環境緑化
- ダイズのカリウム欠乏とその土壌条件
- 置換酸度を構成する酸性物質の分別と酸度の要因となる有機酸の存在について
- 置換酸度の滴定終点に関する検討
- 海水と接触した土壌の置換性塩基
- 17.牧草畑灌漑とカリの消長(東北支部講演会講演要旨)
- 9-4 東北地方に分布する古代の珪長質火山灰(9.土壌生成・分類および調査)
- 火山灰土壌中のアルミニウム化合物の形態とそのリン酸固定容量
- 2-16 土壌中のアルミニウムの形態とリン酸吸着能(2 土壌有機および無機成分)
- 懸濁粒子に基づく土壌pHの測定誤差
- 富士山麓におけるブナ林, ヒノキ林の雨水および土壌浸透水の水質とブナの酸性雨中和機能
- 岩手県の湖沼の調査研究-2-焼石岳・栗駒山地域および海岸地域の湖沼について
- 塩基性アルミニウム吸着による土壌有機物のカチオン吸着能の低下
- 土壌有機物のカチオン吸着基の酸的性格
- 2-15 土壌有機物のカチオン吸着基の酸的性格(2.土壌有機および無機成分)
- 塩基性アルミニウムイオンの形態とカチオン交換樹脂による吸着
- 3-3 青森県八戸市付近の火山灰土壌中の粘土鉱物(3 土壌鉱物および膠質複合体)
- 2-16 塩基性アルミニウムイオンの形態と吸着性(2.土壌有機および無機成分)
- 黒ボク土および石灰岩・玄武岩台地上の赤黄色土の2 : 1型鉱物と微細
- 酸性河川水中のアルミニウムイオンが水田土壌におよぼす悪影響 : 秋田県玉川の例
- 2-36 秋田県玉川水係の酸性かんがい水の酸性物質とその水田土壌に対する影響(2.土壤有機および無機成分)
- 第3部門 : 土壌鉱物および膠質複合体
- 土壌粘土鉱物学の立場から(粘土科学の現状と展望(2))
- 土壌と水の酸性と鉄・アルミニウム--その性格と改良をめぐって
- アルミニウムイオンの滴定曲線の形状
- 秋田駒ヶ岳白滝の石灰華
- モンモリロナイトの塩基性アルミニウムイオン固定とそれに伴うカチオン吸着性の変化
- 酸性条件における土壌のリン酸固定容量の測定
- 畑地灌漑用水の水質と土壌の置換性カリの増減
- 土壌中の置換性水素の起因と性格
- 第2部門土壌有機および無機成分
- モンモリロナイトおよびハロイサイトの置換性アルミニウムを塩類溶液で抽出する際にみられるカチオン種および濃度の影響
- ゼオライトのカチオン吸着特性と CEC 測定上の問題点
- 3-2 K^+およびNH_4^+による粘土の置換性Alの抽出に対する塩類濃度の影響(3.土壌鉱物および膠質複合体)
- 滴定曲線から見たアルミニウム・腐植酸複合体の挙動
- 3-5 腐植-アルミニウムキレート化合物(3.土壌鉱物および膠質複合体)
- 北上川上流域における後期更新世の周氷河現象と火山灰層序
- 韓国の低位段丘上に堆積するレス土壌
- 東北地方を覆う古代の珪長質テフラ"十和田大湯浮石"の同定
- 北上川中流域における黒沢尻火山灰の層序・分布と強磁性鉱物の化学組成
- 北九州および与那国島のレス--後期更新世の風成塵の意義
- 洞爺火山灰以降に堆積した岩手火山テフラ層中の広域風成塵
- 南西諸島における赤黄色土壌群母材の広域風成塵起源--土壌,基岩および海底堆積物中の石英,雲母,方解石の酸素および炭素同位体比
- 山陰および北陸沿岸の古砂丘に埋没するレスについて
- 1925年に農林省農事試験場で始まった水田肥料連用試験の経過
- 岩手山麓における最近13,000年間の火山灰土壌の植生環境 : 分火山灰層の植物珪酸体分析
- 日本海沿岸の土壌および古土壌中に堆積したアジア大陸起源の広域風成塵 (日本海沿岸の更新世の古地理と古環境特集号)