歯周疾患の集団管理法に関する研究II
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概要
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東芝鶴見工場, 本州製紙江戸川工場, 本州製紙岩淵工場の従業員, 計365名を対象として歯周疾患の集団管理を実験的に実施した。東芝, 本州の両事業所でそれぞれ実験群と対照群を設定し, 両方に対して, 1) 歯肉のう, 2) 歯牙沈着物, 3) 欠損歯数の検査を行ない, 実験群に対しては歯石沈着活動度試験の結果に従つた間隔での歯石除去ならびに刷掃指導を行ない, なお東芝実験群にはさらに歯肉切除術を行なつて, 次のような結果を得た。<BR>盲のう陽性者数は東芝, 本州ともに実験群は減少したが, 対照群は増加し, その増加率は大きく, 実験群, 対照群との間には高度の有意差 (p<0.001) をみた。すなわち上記のような集団管理方式は盲のう形成の予防に対して有効であつた。<BR>欠損歯は両事業所とも対照群は実験群に比べて増加していたが, 有意差はなかつた。しかしこの増加率が今後も続くと仮定すれば, 東芝では全実験期間3年4カ月, 本州では2年4カ月で有意差を得ることを推算できた。<BR>歯石沈着活動度試験の結果から, 各実験群の年間必要除石回数の算出ができ, 東芝では平均歯石沈着活動度0.79±0.06mgで, 57人に対して年50回の除石が必要となり, 本州では1.19±0.14mgで, 72人について年90回の除石が必要となつた。<BR>以上のような集団管理方式を歯科衛生士が行なうとしたとき衛生士1人の管理できる人数の算出が可能となつた。東芝例では年約3,200人, 本州例では年約2,600人であつた。なおこの管理可能数は主として集団の平均歯石沈着活動度から推算できると考えている。
- 有限責任中間法人 日本口腔衛生学会の論文
著者
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大西 正男
東京医科歯科大学歯学部 微生物学教室
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境 脩
福岡歯科大学口腔保健学講座
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大谷 広明
東京医科歯科大学予防歯科学教室
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境 脩
東京医科歯科大学予防歯科学教室
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千葉 義男
東京医科歯科大学予防歯科学教室
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鈴木 丈信
東京芝浦電気株式会社鶴見病院歯科
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大西 正男
東京医科歯科大学
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