歯周疾患の集団管理法に関する研究I
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
歯周疾患の高い罹患率にかんがみ, 合理的な集団処理技術を開発するために, 東芝鶴見工場の従業員185名について次のような調査と処理法の研究を行なつた。<BR>1) 歯肉のう, 歯牙沈着物, 出血度, 歯肉の発赤, 歯石沈着活動度の諸項目について調査し, その結果を分析して, 歯周疾患の篩い分けには歯牙沈着物と歯肉のうを検査項目とし, 一定の筋い分け規準で, 健康者, 要注者, 要治者の3群に分けることが出来た。<BR>2) 要治者は一般治療を行なつたのち, 要注者とともに経過看視の対象とする。<BR>3) 要注者は歯石除去, 歯石沈着の予防, 歯刷子による清掃の完全実施を受け, 看視は発病 (歯肉のうの形成) と再発に対して行なわれる。<BR>4) 歯牙沈着物の検出には染め出し液を使用し, 7カ所以上の被染部のあつた場合に沈着物陽性とした。盲のうは全歯牙の近心を検査し, 3mm以上の盲のうが1カ所以上あれば盲のう陽性とした。<BR>5) 除石の間隔は歯石沈着活動度試験の結果で定める。Ca量0.60mg〜1.20mgは1年間隔, 1.21mg〜2.50mgは6カ月, 2.51mg以上では3カ月間隔で除石する。0.59mg以下のときは次の検査時 (約1年) まで放置する。2.51mg以上には歯石予防副子の使用を推める。<BR>6) 経過看視において発病と再発を出血試験で判定する。吸光度数値で0.235以上を出血陽性とした。<BR>7) 歯科医1人, 歯科衛生士1人, 補助者1人の歯周疾患管理グループを作れば, 初年度で約4,000人, 次年度からは約6,000人の歯周疾患の管理が出来ると推定された。
- 有限責任中間法人 日本口腔衛生学会の論文
著者
-
大西 正男
東京医科歯科大学歯学部 微生物学教室
-
大谷 広明
東京医科歯科大学予防歯科学教室
-
境 脩
東京医科歯科大学予防歯科学教室
-
鈴木 丈信
東京芝浦電気株式会社鶴見病院歯科
-
大西 正男
東京医科歯科大学
関連論文
- 初潮及び月経とLactobacillus countとの関係について
- 口腔内Phosphatase産生菌の研究
- 口腔内Urease産生菌の研究
- Aluminium Chlorhydroxy Allantoinateを含有する歯磨剤の歯周疾患の第2次予防効果に関する研究
- Sputocrit法による学童の簡易口腔内解糖能測定法
- 冷凍処理アマルガムの臨床応用
- う蝕予防に有効な茶の試験管内スクリーニングについて
- ヒトの歯垢から分離した小さな嫌気性半月状菌について
- 歯周疾患の集団管理法に関する研究II
- 集団の口腔健康管理に対する研究 : 口腔診査方式について
- プロピオン酸培地で歯垢から分離された2種の糸状微生物
- 人型及びラット型Streptococcus mutansのラットにおけるcariogenicityの相違について
- 齲蝕予防効果臨地実験における有意性判定と実験対象について
- Flagylによる実験的ならびに臨床的口臭除去の研究
- Streptococcus mutansのう蝕感受性歯面別分布に関する研究
- 合成ゼオライトを基剤として用いたNaF含有歯磨剤の齲蝕抑制効果に関する臨地試験成績
- 蔗糖およびカラメル化蔗糖溶液による牛歯質からのCaの溶出増加について
- 2種のフッ化物添加歯磨剤のう蝕予防効果に関する臨地実験
- う蝕形成とアマルガム二次損傷の違い
- 実験う蝕予防の研究 : VI. 実験裂溝う蝕にみられる有病鼠率と平均う窩数の関係
- 実験う蝕予防の研究 : IV. 裂溝う蝕象牙質に現われる2病変
- 歯周疾患の集団管理法に関する研究I
- 消化管各部より得た直接採取材料の細菌叢について
- α-アミラーゼ口腔錠の歯周疾患に対する予防歯科的応用
- 角化度測定法と女性口腔粘膜の角化状態に関する研究
- 実験う蝕予防の研究-3-う蝕源性食餌(6PMV)に含まれているカゼイン量のPb-marked Ratにおけるう窩数に及ぼす影響
- 歯質の試験管内褐色着色に関する予備的研究
- 歯石副子の使用による歯肉縁上歯石沈着の予防〔英文〕
- Studies on the mechanism of resistance of bacteria:I. Experiments on the death of bacteria by drying
- Studies on the mechanism of resistance of bacteria:III. The permeability of bacterial cell-membrane and the free water in the bacterial body
- Studies on the errors of plate counting