プロピオン酸培地で歯垢から分離された2種の糸状微生物
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概要
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人歯垢を0.5%プロピオン酸普通寒天平板 (pH7.0) に嫌気性で劃線分離培養すると, グラム陽性と陰性の糸状の微生物が発育した。グラム陽性菌は通性嫌気性で, クモの脚状集落を形成し, 特有な顆粒をもつ菌体として発育し, 培地成分から粘質を産生する。可溶性澱粉を速やかに分解し, 酸を形成する。集落はBacterionema matruchottiに似ているが, その発育様式, 生物学的性状, 免疫学的特性から, これとは違つたものである. またNocardia dentocariosusとも同じでないが, Odontomyces viscosusとは非常に似ている。本研究室では最初Granular organismと呼んでいた. 加熱死菌で家兎, モルモット及びラットにSchwartzman及びArthus現象を起させることができた. グラム陰性菌の方は偏性嫌気性で, 最初の分離培地上には非常に特異な毛髪様集落を作つた. 本菌はLeptotrichia中の菌種と思われるが, 純培養菌株とすることも, その後の継代維持も非常に困難で, 充分な記載的研究が行えなかつた。
著者
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