差スペクトル法に基礎を置くクロロゲン酸の酵素的定量
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概要
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果実,野菜等の食品中に含まれるChl類の差スペクトル法に基礎を置く酵素的分析法を開発,設定した. ニホンナシ,リンゴ,ピーマンおよびナス等より調製した酵素液は,いずれもpH 4付近においてChlに対し強い酸化活性を示し, pH 2以下では完全に失活した.これらの酵素液をChl溶液に添加しpH4, 30°Cにおいて反応させた.酸化反応の進行に伴って, Chlの275〜365nm間における吸光度は低下し,その差スペクトルにおいては325nmに負のピークが出現した.そこで, pH 4においてChlの差スペクトルを測定したところ,そのピーク高すなわちΔE325は反応5分後に最大値に達し,その後約60分間変動がみられなかった.その際におけるΔE325とChl濃度との間には直線的関係が成立し,これを検量線として食品中のChl類を定量することが可能であった. 本法により青果物試料中のChl類を分析したところ,比較として用いたZuckerらの比色法とかなり近似する値が得られた.しかし,本法は比色法に地べて測定値のばらつきが少なく,かつChlの回収率が98〜103%と優れていた. 本研究の大要は昭和61年4月,日本食品工業学会大会(於,東京)で発表した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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