カブのフロログルシノール酸化酵素の精製とその性質
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概要
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(1)カブのフロログルシノール酸化酵素(PhO)を硫安分画,イオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過等により,抽出液の約33倍に精製した.酵素標品はディスク電気泳動的に均一であり,その分子量は約27,000と推定された.本酵素液は赤褐色を呈し, 277,403,492および633nmに吸収の極大を示した. (2)本酵素はフロログルシノールおよびその誘導体を特異的に酸化した.本酵素のフロログルシノールに対するKm値は0.67mMであった. (3)本酵素はPhO活性とともにペルオキシダーゼ(POD)活性をも有するが, PhOとしての最適pHは7.6〜8に,また,PODとしてのそれは5付近に認められ,両活性の作用域にはかなりの相違がみられた. PhO活性は加熱に対してかなり安定であったが, POD活性はこれに比べ,やや不安定であった. (4) PhOおよびPOD両活性ともジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムおよびL-アスコルビン酸により強く阻害された.金属イオンの影響では, PhO活性はMn2+により著しく賦活化され, Cu2+により強く阻害された.しかし, POD活性はこれら金属イオンの影響をほとんど受けなかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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