凝集による濁度変化をあらわす速度式の適用性の検討
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概要
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(1) 光散乱係数Qと粒子直径Dとの関係をあらわす(3)式-Q=2(m-1)2α2,α=πD/γ(m:粒子と媒質との屈折率比,γ:測定光の波長)-について,この式の近似が成立する粒子径範囲をHellerの表に示された値を基準として求めた.この範囲は測定光の波長によって異なり,波長が長くなるにつれて粒子径の大きい方へ移行した. (2) グリアジンを用いて凝集による濁度変化を各種の波長において測定し,その結果に対する(1)式(dτ/dt=r/τ2,τ:濁度,t:時間,r:定数)の適合性をτ3vs.tのプロットによって調ベたところ,プロットの直線性が成立する範囲は(3)式の近似の成立と対応して,測定波長が長いほど粒子径の大きい領域へとずれることが認められた.また波長400mμ以下では,プロットの直線はいずれも原点を通過した. (3) プロットの傾斜から求められたrの対数を波長γの対数に対してプロットしたところ直線関係が得られ,その傾斜は-8であった. (4) これらの結果から(1)式が凝集による濁度変化のある段階(その範囲は測定光波長によって異なる)をかなり広い範囲にわたって記述し得る式であることが確認された.
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