発育ステージの異なるカキ果実の呼吸, エチレン生成及び成熟に対するエチレン処理の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
6月から11月にかけて採取したカキ‘富有’果実を, 10ppmのエチレンで処理した場合の呼吸量, エチレン排出量及び成熟の変化について25°Cで調べた.1. 果実は採取翌日から, 1日, 2日及び3日間エチレンで処理した. どの発育段階の果実も処理によって呼吸量が増大し, 内生エチレン生成が誘起され, 果肉の軟化が始まった. 果実の発育段階別に見ると, エチレン処理の効果は, ステージIIIの果実に対してよりもステージIの果実に対して大きかった. このことは, エチレンに対する果実の感受性が, 果実の成熟が進むにつれて弱まることを示すように考えられた. 呼吸のクライマクテリック (あるいはクライマクテリック様) ピーク値及びエチレン生成のピーク値は, 果実の発育段階が進むにつれて急減した. 果肉の軟化はエチレン処理により早められた.2. ステージIIIの果実に1日間のエチレン処理を隔日に繰り返した場合, 初めの2〜3回目の処理までは, 果実は処理のたびに反応を示したが, それ以後の処理に対しては反応を示さなくなった.3. カキ果実の示した種々の特性から考えて, カキ果実はクライマクテリック果実とも, またノンクライマクテリック果実とも異なる型の果実のように思われた.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- 種々の発育段階で採取したカキ果実の切断切片が生成するwoundエチレン(III : 自然科学編)
- 切花の保蔵に関する研究 (第1報) : 切花の開花に伴う生理的変化
- 柑橘果実及びカキ果実のWoundエチレン生成
- 切断によるカキ果実のWoundエチレン生成に対する切断部位の影響(III : 自然科学編)
- エチレン処理に対するカンキツ果実の呼吸量の変化
- 種々の発育段階で採取したカキ果実の呼吸, エチレン生成及び成熟
- 発育ステージの異なるカキ果実の呼吸, エチレン生成及び成熟に対するエチレン処理の影響
- 果実の呼吸および成熟に対するエチレンの影響
- トマト果実の呼吸および成熟に対する炭酸ガスの影響
- 種々の成熟段階にあるトマト果実の呼吸および成熟に対するエチレンの影響
- 中学校技術科の栽培分野における教材の研究(第2報) : サツマイモ
- 切断によるキウイ果実のWoundエチレン生成(III : 自然科学編)
- 種々の発育段階で採取したキウイ果実のwoundエチレン生成
- 1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸処理が,種々の発育段階のカキ果実のエチレン生成に及ぼす影響
- 種々の発育段階で採取したリンゴ果実の呼吸,エチレン生成及び成熟
- 中学校技術科の栽培分野における教材の研究 (第3報) : 水稲
- エチレンと果実生理 (第2報) : 柑橘果実の呼吸量に対するエチレン処理の影響
- 中学校技術科の栽培分野における教材の研究 (第1報) : 養液栽培の装置について
- エチレンと果実生理 (第1報) : カキ果実について
- 水仙の球根に関する研究 (第1報) : ラッパ水仙の丸球形成
- ナツミカンならびにカキ果実の呼吸および成熟に対する炭酸ガスの影響
- カキ果実の成熟に対する銀イオンの影響