種々の発育段階で採取したキウイ果実のwoundエチレン生成
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概要
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キウイ(ヘイワード)果実を種々の発育段階(ステージ1,ステージII,ステージIII)で採取し,そのwoundエチレン生成を経時的に調べた。果実は採取後ただちに25℃の呼吸室(ガラス製,約0.5l容)に入れ,通気しながら一夜放置した。翌日,果実のほぼ中央を横に二つに切断し,ただちに呼吸室にもどして密閉した。1時間後に呼吸室のヘッドスペースから空気を採取し,ガスクロマトグラフによってエチレン濃度を測定した。空気の採取が終了した呼吸室はただちに開封し,新鮮な空気と入れ替えた後再度密閉して次の測定に備えた。切断当日はこれを10〜12回くり返し,それぞれエチレン濃度を測定した。その結果は次のようであった。すべての発育ステージの果実で,切断によるwoundエチレン生成が認められた。切断12時間後以内でのwoundエチレン生成で,同一ステージに属する果実のエチレン生成のパターンは互によく似ていた。ステージIの果実では切断7時間後に,ステージIIの果実では切断9時間後に,それぞれエチレン生成量のピークが出現した。しかし,ステージIIIの果実ではすべての場合,切断12時間以内にエチレン生成量のピークは出現しなかった。また,この時のピーク値は果実令の低い果実ほど高かった。切断後のwoundエチレン生成の開始は,果実令の低い果実ほど早く,果実令がすすむにつれて遅くなる傾向があった。切断1日後以降では,果実令の高い果実ほどエチレン生成量の増大が早く始まり,果肉の軟化が同時にすすんだ。切断後のエチレン生成に関して,切断12時間後以内では個体問差異は小さかった。切断1日後以降は,ステージIIIの果実では個体間差異が小さかったが,ステージIの果実では大きかった。
- 千葉大学の論文
- 1990-02-28
著者
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