種々の成熟段階にあるトマト果実の呼吸および成熟に対するエチレンの影響
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概要
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種々の成熟段階にあるトマト果実について,その呼吸および成熟に対するエチレン処理の影響を調べた。開花15日後,21日後,28日後,35日後,40日後,43日後および45日後の,それぞれのトマト果実を採取し,20℃の温度下で10ppmのエチレンを3日間作用させて調べた。未成熟の果実(開花15日後,21日後,および28日後のもの)は,エチレン処理開始直後から呼吸量が増大し,1日後または2日後にピーク(第1のピーク)に達してから減少したが,その後再び増大に転じ,再度ピーク(第2のピーク)を示した。このように,これらの果実は呼吸量で2つのピークを示した。第1のピークはエチレンの直接的効果によるもめとみられたが,この時,果実の外観上の変化は何ら認められなかった。また,この第1のピークの現われる様子は,non・climacteric果実(例えば温州ミカン)のそれと非常によく似ていた。第2のピーク出現に際しては果実の着色がともない,このピークはclimacteric(またはclimacteric様)ピークと考えられた。緑熟期の果実(開花35日後の果実)では,エチレン処理開始直後からclimacteric riseが始まり,3日間のエチレン処理を停止した後も増大を続けてピークに達した。この果実では,呼吸量のピークは1つだけしかなかった。一層成熟のすすんだ果実(開花40日後,43日後および45日後の果実)に対しては,エチレン処理の効果は認められなかった。
- 1975-12-26
著者
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