種々の発育段階で採取したリンゴ果実の呼吸,エチレン生成及び成熟
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概要
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わが国で育成されたリンゴの三品種(早生種の津軽・中生種の王林・晩生種の富士)の果実について,発育段階別にその成熟特性を調べた。ステージIII(収穫適期)の果実は三品種とも呼吸のクライマクテリックとエチレン生成を示し,クライマクテリック型の果実であることがわかった。採取後クライマクテリックの出現は,早生種の津軽で早く晩生種の富士では遅かった。エチレン生成量は津軽で多く富士で少なかった。このほかにも三品種間に差異が見られたが,中生種の王林はおおむね両品種の中間の性質を示した。ステージIの果実については,津軽は呼吸のクライマクテリック様増加を示し,同時にエチレン生成も認められた。王林は呼吸の増加は示さなかったもののエチレン生成は見られた。これに対し,富士は呼吸の増大もなくエチレン生成も認められなかった。ステージIIの果実では,津軽は呼吸のクライマクテリック様増加とエチレン生成がともに見られ,エチレン生成量は非常に多かった。これに対し,王林と富士は呼吸の増加もエチレン生成もともに示さず,特に王林はステージIで有していたエチレン生成能が失われた。リンゴ果実は発育につれて成熟特性が大きく変化したが,その変化のしかたは品種によって大きく異なった。
- 千葉大学の論文
- 1988-02-26
著者
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