ネオトリンを用いるホウ素の新吸光光度定量法
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概要
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著者はさきに濃硫酸中でホウ素の光度定量に用いられる試薬としてベリリオンを提案したが,この試薬と同じアゾクロモトロープ酸系の化合物についてさらに探索をすすめ,ベリリオンよりはるかに高感度の試薬として,ネオトリンがホウ素の吸光光度定量に使用されることを見出した.もとめられた最適の定量操作はつぎのとおりである.10.0μg以下のホウ素をふくむ試料溶液を石英製ビーカーにとり,これに2×10<SUP>-3</SUP><I>M</I>ネオトリン試薬溶液1.50m<I>l</I>と濃硫酸を加えて全量10.0m<I>l</I>とする.この際硫酸の濃度は92.5%以上に保持する.この混合溶液を35℃の空気浴中で15分間加熱したのち冷却して吸収測定用セル内にうつし,同様操作をおこなって得られた試薬ブランクを対比液として635mμで吸光度を測定する.本法によって0.0〜1.0ppmのホウ素量の範囲内で0.70%の誤差範囲内でベールの法則にしたがう直線関係が得られ,感度は0.017μg/cm<SUP>2</SUP>,もとめられた分子吸光係数は6,410であった.また,本法に透光度比法を適用して検量線をもとめたところ,1.0〜2.0ppmの比較的高濃度のホウ素の定量も可能であることがわかった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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