門脈体循環シャントによる肝性脳症を呈した非硬変期原発性胆汁性肝硬変症の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
無症候性原発性胆汁性肝硬変症として経過観察中に門脈体循環シャントによる肝性脳症を呈した1例を経験したので報告する.症例は62歳の女性で,6年前当科に入院し無症候性原発性胆汁性肝硬変症と診断,以後外来で経過観察していた.約2年前より言語と動作が緩慢になり,また血中アンモニア値が時々上昇するため再入院した.腹部血管造影で,奇静脈および傍臍静脈を介するシャントが確認され,主症状はこれら門脈体循環シャントによる肝性脳症であることが明らかになった.他の症状,一般臨床検査所見,腹腔鏡所見についてはこの6年間においてほとんど変化はみられなかった.ただ,肝生検組織所見で門脈枝の潰れが最近より顕著となった.原発性胆汁性肝硬変では,しばしば門脈圧亢進を伴うが,非硬変期からこのような脳症をおこすことは稀であり,本疾患の成因および臨床像を考えるうえで参考になる症例と考え報告した.
著者
-
上原 聡
旭川医科大学第三内科
-
幸田 弘信
旭川医科大学第3内科
-
長谷部 千登美
旭川医科大学 第二外科
-
小野 稔
旭川医科大学第三内科
-
大田 人可
旭川医科大学第3内科
-
石川 裕司
旭川医科大学 寄生虫学 講座
-
関谷 千尋
旭川医科大学
-
矢崎 康幸
旭川医科大学第3内科
-
金井 賀子
旭川医科大学第三内科
-
並木 正義
旭川医科大学
-
鈴木 弘子
旭川医科大学第3内科
-
小野 稔
旭川医科大学第3内科
-
金井 賀子
旭川医科大学第3内科
関連論文
- 肝疾患診療における病診連携の試み
- PPB-3-051 胆嚢摘出術後に発生した乳糜腹水に対し腹腔静脈シャントを施行した1例(消化器全般 : 症例2)
- Crohn病における在宅経腸栄養療法の緩解維持効果の検討-製剤別の比較を含めて-
- 肝臓學と日本肝臓學會の浮沈の鍵は女性が握っている?
- 過敏性腸症候群の臨床 : その診断基準・病態・治療(過敏性腸症候群の臨床-その診断基準・病態・治療)(第33回日本心身医学会総会)
- II-B-12 神経性食欲不振症に対する漢方治療の試み(摂食障害・治療II)
- I-C-17 胃潰瘍形成の中枢メカニズム : 延髄Raphe核へのカイニン酸注入による胃粘膜病変の形成(消化器IV)
- I-C-7 中枢性胃排出機能調節に及ぼすgrowth factorの役割 : Basic fibroblast growth factor(bFGF)とEpidermal growth factor(EGF)中枢投与の胃排出能に及ぼす影響(消化器II)
- I-C-6 ハムスターを用いたin vivo胆嚢収縮能検査モデルの確立(消化器II)
- I-C-5 インターロイキン-1の胃機能抑制作用の発現機序におけるプロスタグランディン系の役割(消化器I)
- I-C-4 24時間胃内圧・pH測定法による空気嚥下症・神経性食欲不振症患者の検討(消化器I)
- I-C-3 自律訓練法の食道運動機能におよぼす影響(消化器I)
- I-C-2 免疫賦活剤のlipopolysaccharideが胃機能と胃粘膜防御系に及ぼす影響(消化器I)
- I-C-1 遺伝的肥満ラット(Zucker rat)における胃酸分泌と胃粘膜防御系の変化について(消化器I)
- I-B-4 神経性食欲不振症患者における胆道ジスキネジー : セルレインを用いた胆嚢収縮能の検討(摂食障害・病態I)
- 7.シクロオキシゲナーゼ阻害剤の免疫神経内分泌学的再評価(第15回日本心身医学会北海道地方会演題抄録)
- II-D-31 インターロイキン-1の抗ストレス潰瘍作用に関する研究 : 「免疫-脳-胃腸」軸の存在(消化器I)
- II-D-30 Basic fibroblast growth factorの中枢神経系を介する胃腸機能調節機構への関与(消化器I)
- II-D-29 離島における急性期胃十二指腸潰瘍患者の心身医学的考察(消化器I)
- 慢性肝炎の進展度診断における生検組織所見と腹腔鏡所見の乖離に関する検討
- ヒトヘルペスウイルス6が原因と考えられ,急性肝不全を合併したvirus-associated hemophagocytic syndrome (VAHS)の1救命例
- 多包性エキノコックス抗体検出ELISA法における疑陽性症例の検討
- 複数の電気泳動法を用いて解明した肝癌細胞における転移抑制遺伝子nm23-H1の発現制御機序について
- 腹腔鏡検査でB型肝炎類似の赤色紋理を認めた若年者非B非C型慢性肝炎の1例
- 原発性胆汁性肝硬変症における胆道系酵素の経時的変化 - ALPとγ-GTPの比較 -
- 胃・十二指腸潰瘍に対する抗不安薬(Alprazolam), 抗潰瘍薬 (Gefarnate) ならびにその併用療法の効果の比較 : 二重盲検法による検討
- 向精神薬Mexazolam(CS-386)の心身症・神経症に対する臨床評価 : Oxazolamとの二重盲検比較試験
- 結節集簇様大腸病変における内視鏡所見の検討
- IIF-17 頑固な肩凝りを主訴としたいわゆる自律神経失調症に「治肩背拘急方」が著効した一症例(家族・その他I)
- ID-15 中枢神経系の膵外分泌調節 : 延随迷走神経背側核へのTRH投与による膵液分泌増加(消化器III)
- ID-14 アポリポプロテインA-IVの中枢神経系を介する胃排出抑制作用(消化器III)
- ID-13 インターロイキン-1による胃排出抑制の発現機序 : nitric oxideとCCKの関与(消化器III)
- ID-21 インターロイキン-1による抗癌剤惹起性脱毛の予防 : 癌患者におけるQOL改善の可能性(消化器IV)
- ID-3 Endotoxinの胃粘膜保護作用とその発現機序 : 胃分泌と胃運動の抑制(消化器I)
- ID-2 遺伝的肥満動物(Zucker rat)における胃粘膜防御系の亢進とその発現メカニズム : 迷走神経系の関与(消化器I)
- 30. 副腎皮質ステロイドホルモンからみたストレス潰瘍の病態生理 : cortisolとdehydroepiandrosteroneの拮抗作用(基礎研究)
- 28. インターロイキン-1の胃粘膜保護作用の発現機序 : 一酸化窒素(nitric oxide)の関与(基礎研究)
- II-D-35 原発性肝癌患者の予後の検討 : 特に心身医学的側面から(消化器-I-消化性潰瘍・肝疾患-)(一般口演)
- I-C-14 過栄養性脂肪肝における心身医学的考察(消化器(2))
- 潰瘍症患者の治療に思う
- 肝嚢胞に対する塩酸ミノサイクリン注入療法の検討
- ストレス潰瘍の発生メカニズムにおけるサイトカインの役割 : 「免疫-脳-胃腸」軸の存在(心身症の発症メカニズム-各科領域から)
- 消化器領域におけるうつ病の実態と留意点(各科領域におけるうつ病の実態と留意点)(第33回日本心身医学会総会)
- (2)免疫神経内分泌学的側面からみたストレス潰瘍の病因と病態生理:「免疫 - 脳 -胃腸」軸の存在
- エキノコックス症に関する診断法の進展
- P148 マウス肝多包虫に対するベンズイミダゾール系薬剤の効果 : アルベンダゾール、メベンダゾール、オックスフェンダゾールの比較
- P142 旭川医科大学におけるエキノコックス症血清診断法の現状
- HBs抗原持続陽性肝炎の進展に関する検討
- C型慢性肝炎の診断における新しい核酸出法抽出法Agglutination Partition methodの臨床的意義
- 腹腔鏡下に摘出した胃壁外型有茎性胃平滑筋肉腫の1例
- 11.ストレスと発癌に関する免疫学的検討(第15回日本心身医学会北海道地方会演題抄録)
- II-C-51 肝化学発癌過程に及ぼすストレスの影響 : 免疫学的検討を中心に(基礎II-免疫-)
- 細径プローブによる食道静脈瘤治療効果の判定
- 管疾患の心身医学的研究 : 実験的研究を含めて
- アルコール性肝障害における血清PIVKA-II上昇とサイトカインとの関連性に関する検討
- C-14 肺非小細胞癌でのheparan sulfate proteoglycan(syndecan-1)の発現の免疫組織学的検討
- アルコール性肝障害における 4-hydroxy-2-nonenal protein adducts の免疫組織化学的検討
- アルコール性肝硬変における血漿PIVKA-IIの臨床的検討
- アルコール性肝障害に合併した原発性肝癌症例の臨床的検討
- アルコール性肝障害に発生した肝癌症例の臨床的検討
- I-B-24 ストレスとインターロイキン-1(第2報)(免疫)(一般口演)
- アルコ-ルと消化管 (アルコ-ル症)
- 巨大な肝内血腫を伴った原発性肝癌の1例
- 過敏性腸症候群を中心に : その臨床像と神経内分泌学的にみた病態生理(Panic Discover をめぐって)(第30回日本心身医学会総会)
- 脾静脈瘤(aneurysm of the splenic vein)を合併した肝硬変症の1例
- PIVKA IIの産生機序を考えるうえで参考になった肝癌の2剖検例
- Radiation hepatitisの1例-実験的検討結果を含めた考察
- 肝嚢胞内出血の2例
- α-フェトプロテイン産生胆嚢癌の1例
- 成人で多数の多核巨細胞の出現をみた薬剤性肝炎の1例
- 肝細胞癌に対する内科的治療後の再発症例の検討
- 原発性胆汁性肝硬変に多発性筋炎を合併した1症例
- 門脈体循環シャントによる肝性脳症を呈した非硬変期原発性胆汁性肝硬変症の1例
- B型慢性肝炎におけるインターロイキン2・インターロイキン2レセプター系のインターフェロン治療による変化
- 肝門部にCavernous transformationを認めた成人型肝外門脈閉塞症の1例
- 肝機能異常の出現後短期間で食道静脈瘤の合併を確認しえた非硬変期PBCの2例
- DICをきたした肝梗塞の1例
- 膵石症と下腸間膜静脈卵巣静脈シャントを合併した無症候性原発性胆汁性肝硬変症の1例
- 救命し得た多臓器不全合併劇症型アルコール性肝炎の1例
- アルコール性肝硬変症におけるコンカナバリンA非結合性カテプシンDの存在
- A case of esophageal motility disorder with esophago-gastric junction stenosis.
- 劇症肝炎様の経過から救命しえた自己免疫性肝炎の1例
- バルーン下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO) による胃静脈瘤の一治験例
- Treatment of recurrent F0RC(+)-esophageal varices by heat probe method.
- Analysis of mononuclear cells infiltrating tumor in solitary hepatoma models.
- Analysis of local immunological mechanisms involved in tumor growth inhibition in experimental hepatic tumor.
- Measurement of serum immunoreactive .BETA.-glucuronidase: A possible new serological marker for hepatic cell necrosis.
- Measurement of prothrombin-related antigen, des-gamma-carboxy prothrombin and vitamin K in human liver tissues.
- Primary biliary cirrhosis and manganese-superoxide dismutase.
- Measurement of plasma PIVKA-II, immunoreactive prothrombin and BaSO4 non-absorbable prothrombin before and after vitamin K administration in hepatoma patients.
- 腸間膜牽縮を伴った回腸カルチノイドの1例
- Vitamin K concentration in human liver tissues of the patients with hepatocellular carcinoma. An effect of vitamin K administration.
- Molecular form of IgM antibody to hepatitis B core antigen in sera from the patients with chronic hepatitis B virus infection.
- 薬剤性肝障害を契機に発見された抗ミトコンドリア抗体性原発性胆汁性肝硬変の1例.
- Effect of the lateral hypothalamic area-lesions on the development of gastric mucosal damages by water immersion restraint stress in rats.
- Hepatic copper concentrations in various liver diseases.
- :The Usefulness of Polyacrylamide Slab Gel Electrophoresis
- Flow cytometric analysis of mononuclear cells infiltrating into liver in experimental autoimmune hepatitis in rats.
- 腹腔鏡色素撒布所見からみたC型慢性肝炎の進展様式について.
- 広節裂頭条虫症のビタミンB12代謝57Co-ビタミンB12-内因子, 58Co-ビタミンB12を用いた検討