低血糖発作を伴った原発性肝癌2症例と文献的検討
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概要
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今回,著者らは低血糖発作を反復して死亡した原発性肝癌2症例を経験した.症例1は62歳の男性で,就寝後の発汗と体重減少を呈し,肝腫大と空腹時低血糖を認め,精査の結果,両葉にわたる原発性肝癌と診断され,数ヵ月の経過にて死亡した.症例2は57歳の女性で,肝腫大を主訴に入院精査し,原発性肝癌と診断され,肝腫大の増強と共に低血糖昏睡を反復しつつ比較的早期に死亡した.両症例とも癌組織中のIRI, ILA活性は陰性であった.<BR>原発性肝癌に伴う低血糖の本邦報告例は,1979年までに著者らの調べた範囲では112例あったが,成因に関してはまだ定説は認められていない.著者らの経験した2症例は,それぞれMacFadzeanの提唱するtype A, Bの低血糖症に相当すると考えられ,低血糖発生機序について一元的には説明し得ないと考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
石井 裕正
慶応義塾大学 医学部 消化器内科
-
土屋 雅春
慶応義塾大学消化器内科
-
日比 紀文
慶応義塾大学 内科学
-
藤井 効
慶応義塾大内科呼吸循環器科
-
水野 嘉夫
慶応義塾大学内科
-
奥野 府夫
慶応義塾大学内科
-
土屋 雅春
慶応義塾大学内科
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水野 嘉夫
慶応義塾大学消化器内科
-
藤井 効
慶応義塾大学消化器内科
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奥野 府夫
慶応義塾大学消化器内科
-
日比 紀文
慶応義塾大学消化器内科
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