分離肝細胞における蛋白合成とSH化合物の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
細胞内におけるグルタチオンの動態が蛋白合成に重要な役割を果すことが示唆されているので,著者らは肝細胞浮遊液に,細胞内の還元型グルタチオン(GSH)を選択的に酸化型グルタチオン(GSSG)に変換するdiamideまたはGSSGを添加して蛋白合成の抑制を検討し,それらに対するSH化合物(GSHおよびtiopronin)およびpantethineの影響をしらべ,次の知見を得た.<BR>1) diamideやGSSGを肝細胞浮遊液に添加すると,分泌性および非分泌性の蛋白合成が著明に抑制された.このことは比較的高濃度のtioproninの添加によっても認められた.2) diamideやGSSGによる肝細胞の蛋白合成の抑制は,GSHまたはtioproninの同時添加によって有意に軽減された.3) pantethineはSH化合物ではないが,diamideやGSSGによる蛋白合成の抑制を軽減した.このことはpantethineが肝細胞内で部分的に還元されてpanteteineまたはこれに類するSH化合物になり,GSHと同様な作用を示すことを示唆した.<BR>以上のように,一定のSH化合物は肝臓における蛋白合成に重要な影響を与えると考えられる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
溝口 靖紘
大阪市立大学医学部第2外科
-
山本 祐夫
大阪市立大石井内科
-
志波 孝
大阪市大第3内科
-
小林 雄一
大阪市立大学医学部
-
森沢 成司
大阪市立大学医学部第1生化
-
松井 孝安
大阪市立大学医学部第3内科学教室
-
中井 賢治
大阪市立大学医学部第1生化学
-
志 孝
大阪市立大学医学部内科学
-
大森 京子
大阪市立大学医学部内科学
-
溝口 靖紘
大阪市立大学医学部内科学
-
中井 賢治
大阪市立大学医学部第1生化
-
松井 孝安
大阪市立大学医学部内科学
-
小林 雄一
大阪市立大学医学部内科学
-
山本 祐夫
大阪市立大学医学部第3内科
-
中井 賢治
大阪市立大学医学部内科学
-
森沢 成司
大阪市立大学医学部内科学
-
山本 祐夫
大阪市立大学医学部内科学
-
山本 祐夫
大阪市立大学
関連論文
- Gomisin A の肝部分切除後肝再生におよぼす影響
- 148 実験的急性肝不全の誘導に対するガラクトシダーゼ処理LPSの影響
- 28. 実験的アレルギー性肝硬変(特に Plasmin 系の動態)(誌上発表)(第12回日本アレルギー学会総会)
- 27. 実験的肝硬変に関する研究(第12回日本アレルギー学会総会)
- 30.実験的肝障害動物の血清及び肝蛋白質の免疫電気泳動法による研究(誌上発表)(第11回日本アレルギー学会総会一般演題)
- 232. 肝特異抗原 (Meyer) による自己免疫(臓器アレルギー)
- 184 薬物アレルギー性肝炎に見られる肝内胆汁うっ滞について
- 181 アレルギー性肝炎モデルにおける肝非実質細胞からのシクロオキシゲナーゼ代謝産物合成活性の検討
- I-A-16 小柴胡湯による肝癌予防の試み
- 161 ラットKupffer細胞内遊離カルシウムイオン濃度に及ぼす血小板活性化因子の影響
- 50) 和漢薬による薬物アレルギー性肝炎
- 147 実験的急性肝不全モデルにおけるアラキドン酸代謝産物の関与
- II-B-3 グリチルリチンおよびグリチルレチン酸のアラキドン酸代謝に及ぼす影響
- ADCC反応による肝細胞障害と過酸化脂質(LPO)形成の関与について
- 肝内胆汁うっ滞像を伴う急性B型肝炎における催胆汁うっ滞因子の検討
- 薬物アレルギー性肝炎における肝内胆汁うつ滞の免疫学的研究 : リンホカインの関与について
- 肝類洞内皮細胞の血小板活性化因子産生に及ぼすLentinus edodes mycelia培養抽出物(LEM)の影響
- I-A-19 小柴胡湯の IL-4 産生及び IL-6 産生に及ぼす影響
- I-A-4 ゴミシン A の Kupffer 細胞および肝類洞内皮細胞内カルシウムイオン濃度に及ぼす影響
- 46) 肝類洞内皮細胞のインターロイキン 1 および血小板活性化因子産生に及ぼす麻黄附子細辛湯の影響
- 34) 実験的アレルギー性肝炎モデルに対する小柴胡湯の及ぼす影響
- 33) 肝類洞内皮細胞のインターロイキン 1 産生に及ぼす小柴胡湯の影響
- 31) マウス Kupffer 細胞のアラキドン酸代謝に及ぼす小柴胡湯の影響
- 103 薬物性肝障害における20年の歩み
- 142 ロイコトリエンB4の腸肝循環について
- II-B-2 セファランチンのアラキドン酸代謝産物に及ぼす影響
- 426 催胆汁うっ滞因子が誘導する肝内胆汁うっ滞に及ぼすプロスタグランジンE_1誘導体の影響
- 333 ヒト末梢血単核細胞によるγ-インターフェロン産生に及ぼす十全大補湯の影響
- 142.肝炎の成立と細胞性免疫に関する実験的研究(リンパ球, マクロファージ, 抗体産生細胞, 細胞性免疫)
- 76 ルポイド肝炎患者末梢血単核細胞の抗体産生に及ぼすエストロゲンの影響
- I-A-8 小柴胡湯による肝癌発症予防の試み
- I-A-2 小柴胡湯の Kupffer 細胞ならびに類洞内皮細胞内カルシウムイオン濃度に及ぼす影響
- S-5 ゴミシン A の実験的肝障害抑制作用
- 実験的に誘導した急性肝不全マウスに認められる肝細胞障害因子
- 418 実験的急性肝不全の誘導における補体の関与の可能性
- P-A-4 ヒト末梢血好中球細胞内遊離カルシウムイオン濃度に及ぼすサイコサポニンの影響
- P-A-3 ラット腹腔浸出細胞内遊離カルシウムイオン濃度に及ぼす麻黄附子細辛湯の影響
- 138.感作リンパ球の抗原によるブラスト化およびMIF産生の増幅について(リンパ球, マクロファージ, 抗体産生細胞, 細胞性免疫)
- 2.小柴胡湯のステロイド様作用(III ステロイドと和漢薬)
- I-C-7 グリチルリチンおよびグリチルレチン酸のヒト末梢血好中球における細胞内 Ca^ 濃度に及ぼす影響
- 32) 肝類洞内皮細胞および Kupffer 細胞の血小板活性化因子産生に及ぼす小柴胡湯の影響
- II-B-7 ラット腹腔浸出細胞からの血小板活性化因子産生に及ぼすグリチルリチンの影響
- グリチルリチンのin vitroにおける抗体産生細胞におよぼす影響
- I-D-3 ラット腹腔浸出細胞内遊離カルシウムイオン濃度に及ぼす LEM の影響
- 麻黄附子細辛湯の腹腔滲出マクロファ-ジ細胞内Caイオンに及ぼす影響
- 151 血小板活性化因子の体内動態について
- 150 各種肝疾患患者末梢血多形核白血球の血小板活性化因子産生能について
- シアニダノールの免疫賦活作用について
- 252 催胆汁うっ滞因子の作用機構 : カルシウム投与ラットに対する影響
- 251 蛍光抗体法による催胆汁うっ滞因子の産生細胞および肝組織内存在の検討
- 121 実験的に誘導した急性劇症肝炎に対するGomisinAの効果
- 73 催胆汁うっ滞因子産生に及ぼす性ホルモンの影響
- 72 催胆汁うっ滞因子産生に及ぼすKupffer細胞の影響
- 71 SDS-PAGEによる催胆汁うっ滞因子の分離
- Antibody-Dependent Macrophage-Mediated Cytotoxicityによる肝癌細胞障害におよぼすOK432の影響
- 4) 和漢薬のアラキドン酸カスケードに及ぼす影響 : 特に小柴胡湯およびゴミシン A について
- I-C-17 桃仁抽出物と人工冬虫夏草の抗肝線維化作用について
- II-A-5 小柴胡湯のインターリュウキン 3 の産生および反応性におよぼす影響
- I-B-18 ヒト末梢血単核細胞の細胞質エストロゲンレセプターに及ぼす紅参末の影響
- 十全大補湯の抗腫瘍活性およびγ-インターフェロンとインターロイキン2産生誘導能について
- 208 ラットKupffer細胞によるロイコトリエンB_4産生
- 実験的急性肝不全モデルの生存率に及ぼすAzelastineの影響について
- 6.和漢薬の肝障害に対する作用(II 和漢薬の抗アレルギー作用機序)
- 催胆汁うっ滞因子の部分精製について
- Lymphokine Activated Killer(LAK) Cell活性に及ぼす小柴胡湯の影響
- I-B-20 麻黄附子細辛湯エキスの肝細胞障害抑制作用
- 急性肝不全生存例における広範壊死部の再生に伴う組織学的変化について
- ヒトにおける再生肝細胞の形態 : 生存しえた広範肝壊死例を中心にして
- 慢性肝炎の小葉周辺帯にみられる病理組織像の特性について : 肝硬変への進展に関与すると思われる組織像を中心にして
- 食道静脈瘤の内視鏡所見判定基準に対する臨床的評価
- 薬剤性肝障害--重症型肝障害 (薬物による肝・腎障害)
- 38. 肝線維化とプラスミン組織Activatorに関する研究(第14回日本アレルギー学会総会)
- (1)肝疾患の成立とアレルギー
- 肝細胞癌に対する動脈塞栓法と抗癌剤one shot動注法の治療効果の比較検討
- 肝特異抗原(Meyer)に対する細胞性免疫 : とくにHB抗原との関連
- サウナ入浴後急性肝不全とDICを併発した一症例
- DICを合併した急性妊娠脂肪肝の一例 : とくに直接死因と治療に関する考察
- 肝障害に伴う高アンモニア血症に対する血中アンモニア測定簡易キット法の臨床的応用
- B型肝炎の予後
- 好酸球性肉芽腫様肝病変にpeliosis hepatisを合併し,末梢血および皮下組織に好酸球増多を示した一症例
- 慢性活動性肝炎における体液性免疫異常と性差
- ヒトα-fetoprotein(AFP)の免疫抑制能について
- 肝疾患におけるリンパ球のsubpopulationとその機能並びに患者血清中に存在するPHA刺激抑制因子について
- パネルディスカッション Persistent Hepatitis
- 図説臨床検査-55-リンパ球幼若化反応
- 催胆汁うっ滞因子処理ラットの肝細胞膜リン脂質の変化
- 分離肝細胞における蛋白合成とSH化合物の影響
- macrophage-mediated cytotoxicityによる肝障害の発生におけるserine proteaseの意義
- 各種肝疾患患者末梢血単球のADCC反応におけるeffector細胞活性について
- Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC)反応培養により単球系細胞が分泌した上澄の肝細胞障害性の研究
- 正常ラットにおける再生肝,肝組織血流量ならびに肝微細構造におよぼすTJN-101((+)-(6s,7s,R-biar)-5,6,7,8-tetrahydro-1,2,3,12-tetramethoxy-6,7-dimethyl-10,11-methylenedioxy-6-dibenzo[a,c]cyclooctenol)の作用
- 催胆汁うっ滞因子の作用機構
- 肝類洞内皮細胞の血小板活性化因子産生に及ぼすLentinus edodes mycelia 培養抽出物 (LEM) の影響
- 麻黄附子細辛湯の腹腔滲出マクロファージ細胞内Caイオンに及ぼす影響
- 小柴胡湯の肝マクロファージ細胞質エストラジオールレセプター量に及ぼす影響
- エタノール長期投与ラットにおけるリンパ球ブラスト化
- 血漿交換療法が著効した薬剤起因慢性肝内胆汁うっ滞の1症例
- 高γ-グロブリン血症の時期から観察し得たルポイド型慢性肝炎の1症例
- 薬物性肝障害 ("肝臓病"診療の進歩とその実際) -- (肝臓病--診療の実際)
- アルコ-ル性肝炎におけるエタノ-ル:肝組織成分に対する免疫現象の成立 (アルコ-ル性障害の科学)