肉用牛集団の開放型中核育種システムにおける近交係数
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概要
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開放型中核育種システムにおける肉用牛集団の近交係数に対する,集団の年齢構成(年齢クラス:中核集団の雄1-4,1-7歳,雌1-5,1-8歳および実用集団雌1-8歳),中核集団のサイズ(3,6,12%)および全雌牛選抜率などのパラメータの影響を検討すると同時に,それらについて閉鎖型システムと比較した.年を基準とした場合の近交係数は中核集団の雄および雌の年齢クラス数が少ないほど,すなわち世代間隔の短いほど高かったが,世代当たりのそれは世代間隔の長い中核集団雄7歳のシステムの方が雄4歳のそれよりも高かった.中核集団に対する実用集団の近交係数の比は85-99%程度であった.また近交係数に及ぼす中核集団サイズおよび雌選抜率の影響は極めて小さいものであった.開放型システムの中核集団の近交係数は閉鎖型システムのそれらと対比して,30年後では57-63%,世代当りでは58-68%とそれぞれ低い値にとどまっていた.以上の結果は,肉用牛集団の育種計画において近交係数の増加率の小さい中核育種システムを採用することの有利性を示唆するものであった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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