日本短角種本登録牛の体型の研究
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概要
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昭和32年より47年までに18ヵ月令ないし30ヵ月令で本登録審査に合格した日本短角種の雌牛177頭を昭和32年〜36年のI期22頭,37〜41年のII期23頭,42〜44年のIII期44頭,45〜47年のIV期88頭に分けて,体測定値および体型の時期による推移を検討した.またIII期とIV期の牛群について,繁殖県別に分けて比較した.これらの比較に際しては月令に対する回帰から24ヵ月令補正値を求めて行なった.なお体高比については補正しない体型測定値から計算した.1. 体測定値はI期においてかなり変異が多かったが,II期以降は変異巾が減少し,体型の斉一化が進んでいることが示唆された.2. I期からIII期までの体測定値を比較すると,体高,体長,胸囲,胸巾,坐骨巾,管囲の6部位はいずれもIII期まで有意に大きくなっている.I期からII期にかけて改善されたものは腰角巾,かん巾,尻長であり,胸深はII期からIII期にかけて有意に増大した.III期とIV期とではすべての部位に差は認められなかった.体高,体長,胸囲はIII期までにI期よりそれぞれ6.7cm,11cm,19cm増大した.3. 体型的にみると胸囲率,胸巾率,腰角巾率,かん巾率,坐骨巾率がII期までに有意に改善され,それ以後はほとんど変化がなかった.4. 体各部位の測定値が増大し,また体型的にも肉用タイプへの改善が実現されたが,この原因は大型肉用種を指向した奥羽種畜牧場の改良方針と関連があり,奥羽種畜牧場生産牛による遺伝的寄与,輸入種雄牛の遺伝的寄与および在来系のすぐれた日本短角種の遺伝的寄与によることを示した.また飼養管理方法の改善もその一因であると考察した.5. 県別生産牛の比較では,青森の牛が岩手の牛に比して体高,胸深,胸巾,かん巾などにおいてすぐれており,秋田の牛に対しても体高.胸囲,腰角巾,かん巾においてすぐれていた.秋田と岩手の牛の比較では秋田の牛が胸巾が大き前こと以外差は認められなかった.これらの差異は血縁的な差のみでなく,飼養条件が関連していることを明らかにした.
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