テストステロンに対するマウス精のう•前立腺反応の遺伝的変異に関する研究 : I. 幼若マウスにおける重量反応の系統差とその遺伝
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概要
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当教室における近交系幼若マウスについてTestoste-rone Propionate(T.P.)に対する精のう•前立腺重量反応の系統差とその遺伝を調べた.重量反応の遺伝の検討は,「高」•「低」反応系統交雑群F1,F2の反応と,無作為交配集団の重量反応の遺伝率推定によった.(1) T.P.に対する幼若マウス精のう•前立腺の重量反応はSSが大きく,CFW,RR,C57BL/6は共に小さかった.特にSSは多量のホルモンに対して強い反応を示したが,他の系統は反応の上限が低いことが示された.(2) 16日令無処理精のう•前立腺重量は,4近交系中SSが最も大きく,T.P.に対する重量反応の順位と一致する.残る3系統(CFW,RR,C57BL/6)については,無処理精のう•前立腺重量と重量反応の順位との間に必ずしも明確な共通性はない.(3) 「高」(SS),「低」(RR)反応系統の交雑群F1(SR)のT.P.に対する精のう•前立腺重量反応は最大反応重最が両親系統の中間となり,反応一対数用量直線の傾きは,中間よりややRRに寄った.すなわちF1は少量ホルモンに対しては,両親系統を上廻り,多量ホルモンに対してはSSを下廻った.逆交配のRSはSRと有意差がなかった.F2の反応値の変異係数はF1のそれよりやや大きい傾向を示したが,平均反応値並びに反応値の分布はF1と差異がなかった.(4) 無作為交配集団(RB系)のT.P.に対する精のう•前立腺重量反応の遺伝率の推定値はh2 S=0.21±0.62,h2 D=2.56±0.94,h2 S+D 2=1.38±0.16となった.(5) 「高」•「低」反応系統交雑群F1のT.P.に対する精のう•前立腺重量反応の変異係数は近交系,F2よりやや小さい傾向を示した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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