茶樹の新芽の生育に及ぼす気温の影響
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概要
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4年生鉢植えのやぶきたを用いて,新芽生育期間の温度が新芽生育に及ぼす影響を,出開度の進行速度と萌芽期から摘採期までの新芽の生育日数で検討した。また,新芽生育の最低温度,最適温度,および有効積算温度を明らかにした。<BR>1. 出開度の進行は,25℃までは高温ほど速く,それ以上は高温ほど遅かった。摘採期ごろの各茶期の平均気温での1日当たりの出開速度は,いずれも約11%であった。<BR>2. 新芽の萌芽期から摘採期までの生育日数は,25℃までは高温ほど短く,それ以上は差はなかった。各茶期の萌芽期から摘採期までの所要日数は,一番茶(平均気温16℃)で約18日,二番茶(21℃)で約17日,三番茶(27℃)で約14日が得られた。<BR>3. 出開度は温度が1℃上がるごとに1日につき,一番茶で約1%,二番茶で約1.3%促進され,三番茶では約0,7%遅延された。また,新芽の生育日数は温度が1℃上がるごとに,一番茶で1.2日,二番茶で1.4日短くなり,三番茶では差はなかった。<BR>4. やぶきたの新芽生育の最適温度は,25〜29℃の範囲と推定され,最低温度は約7.6℃であると推定された。また,有効積算温度は,一番茶で約150℃,二番茶で約210℃,三番茶で約240℃であった。<BR>5. 昼夜温較差が出開度の進行に及ぼす影響は,最適温度までの範囲では,較差が10℃と大きい場合に出開きの進行が緩慢となる傾向が認められた。<BR>6. 新芽生育に要する有効積算温度は,一番茶では較差の大きいほど小さく,二番茶では大きく,逆の影響が認められた。
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