一番茶摘採残葉の多少が夏期の炭水化物の消長および新芽生産に及ぼす影響
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概要
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一番茶摘採後に残存する新葉の多少が夏期の乾物生産,新芽生産および樹体内炭水化物の消長に及ぼす影響を明らかにするため,成木園に準じて樹形を整えた3年生樹を用いて一番茶摘採期から三番茶摘採後にわたって調査した。<BR>(1) 二番茶萌芽期ごろまでの乾物重の増加については,地上部の処理間差は明らかでなかったが,地下部は残存新葉の多い区ほど少なかった。<BR>(2) 二番茶萌芽期以後における乾物重の増加は,残存新葉の多い区ほど多く,地上部より地下部において差異が大きかった。<BR>(3) 樹体の炭水化物含有率は,二番茶萌芽期までは残存新葉の多い区ほど低かったが,二番茶摘採期以降は残存新葉の少ない区ほど低くなった。<BR>(4) 樹体の炭水化物含有量は,二番茶萌芽期には残存新葉のほとんどない新葉摘除区が最も多くなったが,二番茶摘採期以降は残存新葉の少ない区ほど少なくなり,その差は大きく開いた。<BR>(5) 二番茶の萌芽期から摘採期にかけて,いずれの処理区も,含有率および含有量は急激に減少したが,新葉摘除区の減少は最も著しかった。<BR>(6) 二番茶の生産に関して,深摘み区および浅摘み区は,新葉摘除区に比べ葉の貯蔵炭水化物への依存度が大きかったのに対し,新葉摘除区では両区に比べ幹および地下部の貯蔵炭水化物への依存度が大きかった。<BR>(7) 二番茶収量は,新葉摘除区が最も少なかったが,ふところ芽などを含めた全新芽重は逆に最も重かった。<BR>三番茶収量は,残存新葉の最も多い浅摘み区が最も少なかった。
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