暖地茶樹における摘採回数及び整枝方法が収量に及ぼす影響
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概要
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年間の摘採回数,整枝時期および整枝強度が次年度収量に及ぼす影響を明らかにするため,やぶきた8年生園を用い,これらを組合せて処理を行い,以後5年間毎年同一処理を行って,これらの影響について検討を加えた。<BR>1.一番茶収量に及ぼす影響については,刈番を含めた合計収量では処理間にかなり大きな差異がみられたが,本茶収量では差異は比較的小さかった。<BR>2.摘採回数が収量に及ぼす影響については,一番茶本茶収量は,1cmの高さで整枝した場合は差異はみられないが,3cmの高さで整枝した場合は,三茶区は四茶区に比べてやや多い傾向がみられた。二,三番茶収量は,秋整枝を行った場合は摘採回数の影響はみられないが,春整枝を行った場合は,三茶区は四茶区に比べてわずかに多い傾向を示した。<BR>3.整枝時期が収量に及ぼす影響については,一番茶本茶収量は,春整枝区は秋整枝区に比べていずれの場合においても劣る傾向がみられたが,刈番を含めた収量で比べるとほぼ同等であった。二,三番茶収量は,春整枝区は秋整枝区に比べてわずかに多い傾向がみられた。<BR>4.整枝強度が収量に及ぼす影響については,一番茶本茶収量は,三番茶まで摘採を行い秋整枝を行った場合は中間整枝の3cm整枝区が最も多かったが,春整枝を行った場合は浅整枝ほど多かった。<BR>四番茶まで摘採を行った場合は1cm整枝区が3cm整枝区に比べて多かった。刈番を含めた収量で比べると,いずれの場合も浅整枝ほど多い傾向がみられた。二,三番茶収量については,いずれの場合も浅整枝ほど多い傾向がみられた。<BR>5.新芽数に及ぼす影響については,一番茶期においては摘採回数の多いほど多く,秋整枝は春整枝に比べて多く,整枝強度では,深整枝は浅整枝に比べて多い傾向がみられ,二番茶期においては,これらの差異は小さくなったが一番茶期とほぼ同傾向であった。三番茶期では,摘採回数および整枝時期による差異はなくなり,整枝強度では,一番茶期とは逆に深整枝区は最も少なくなる傾向がみられた。<BR>6.百芽重に及ぼす影響については,一番茶期においては摘採回数の多いほど軽く,秋整枝は春整枝に比べて軽く,深整枝は浅整枝に比べて軽い傾向がみられ,二番茶期もほぼ同傾向であったが,摘採回数については一定の傾向はみられなくなった。三番茶期では差異は小さくなり,整枝強度では,一番茶期とは逆に深整枝区は最も重くなる傾向がみられた。<BR>7.一番茶の摘採期に及ぼす影響については,処理間にかなりの早晩がみられ,摘採期の最も早い処理区と最もおそい処理区の間には6日〜10日間の幅がみられた。<BR>8.一番茶期の摘採期の早晩に対しては,整枝強度の影響は大きく,秋整枝を行った場合は深整枝ほど早く,かつ処理間の早晩の幅は毎年3〜4日とほぼ一定であったが,春整枝を行った場合は一定の傾向はみられず,また年次変動も大きかった。
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